「足立美術館」
という名前は聞いたことがあるけれど、実際に行く価値があるのか、何がすごいのかピンとこない――そんな方は多いのではないでしょうか。
個人的な意見を言うと、足立美術館は庭園を眺めるだけでも十分に行く価値がある美術館だと思います。
館内から庭園を一枚の絵のように眺める「生の額絵」は、足立美術館ならではの見どころ。庭園を堪能した後は、横山大観をはじめとする絵画や北大路魯山人の工芸品まで見られるため、ただの美術館では終わらないスケール感を味わえます。
「美術館はちょっと苦手」という方でも、庭園を中心に楽しめるため、島根観光で訪れる価値は十分にあります。
この記事では、足立美術館の見どころから料金・所要時間、そして「由志園とどちらに行くべきか」まで、出雲在住のライターが整理して解説します。
足立美術館とは何がすごい?3つの理由
足立美術館は、実業家・足立全康氏が「庭園もまた一幅の絵画である」という考えのもと創設した、島根県安来市の美術館。敷地の大部分を占める5万坪の日本庭園と、横山大観をはじめとする近代日本画コレクションの2本柱で構成されています
「美術に詳しくないと楽しめないのでは」
と感じる方も、まずは庭園を眺めるだけで十分に楽しめる場所だと考えてよいでしょう。

名前は知っていても価値がピンとこないという方に向けて、まず「何がすごいのか」を3つに整理します。
- 庭園が22年連続で日本一に選ばれている――アメリカの日本庭園専門誌『Sukiya Living / The Journal of Japanese Gardening』が発表するランキングで、足立美術館公式サイトによると22年連続で1位に選ばれています。
- 「生の額絵」という独自の鑑賞スタイル――館内の窓枠を額縁に見立て、庭園そのものを一枚の絵画として鑑賞できる、他の庭園にはない演出です。
- 横山大観・北大路魯山人の美術コレクション――庭園だけでなく、近代日本画と工芸の名品もあわせて楽しめます。
庭園ランキングの詳細は、足立美術館公式サイト(庭園紹介ページ)でも確認できます。
足立美術館は行く価値ある?おすすめしたい人・優先度を下げてもいい人
入館料を払ってまで行く価値があるか迷っている方向けに、おすすめできる人と、他の観光を優先してもよい人を整理しました。

おすすめできる人
- 日本庭園が好き、写真映えする場所に行きたい
- 美術館には詳しくないが、綺麗なものを眺めるのは好き
- 横山大観など日本画に興味がある
- 松江・玉造温泉・出雲から半日程度の観光先を探している
- 雨の日でも楽しめる観光スポットを探している
優先度を下げてもいい人
- 花畑や季節の花をメインに楽しみたい(由志園がおすすめです)
- 広大な庭園を実際に歩き回りたい
- 美術館よりアクティビティ系の観光が好き
足立美術館の見どころ①庭園(生の額絵・借景庭園)
主庭・枯山水庭・白砂青松庭・池庭など

足立美術館の庭園は、
正面の芝生を主体とした「苔庭」
白砂と赤松で構成され横山大観の作品『白沙青松』をイメージした「白砂青松庭」
鯉が泳ぐ「池庭」
そして枯山水の「枯山水庭」
など、複数の庭が回遊しながら鑑賞できる構成になっています。
それぞれの庭は独立した展示物として手入れされており、苔庭の緑、白砂青松庭の白と緑のコントラスト、池庭の水面の動きと、庭ごとに異なる見え方を楽しめます。
四季ごとに植栽や苔の色合いが変わるため、訪れる季節によって表情が変わる点も庭園の見どころの一つです。
「生の額絵」「生の掛軸」――窓を額縁に見立てた鑑賞スタイル

足立美術館ならではの見どころが、館内の窓枠そのものを額縁に見立て、その奥に広がる庭園を一枚の絵画として鑑賞する「生の額絵」です。
さらに、床の間の壁をくり抜いて庭を掛け軸のように見せる「生の掛軸」という展示もあり、絵画と庭園という美術館の2本柱を象徴する仕掛けです。
足立美術館の見どころ②横山大観と近代日本画コレクション

横山大観の作品を初期から晩年まで120点余り所蔵
足立美術館は、近代日本画の巨匠・横山大観の作品を120点余り所蔵しており、その量と質の充実ぶりから国内でも有数のコレクションと言えます。
若描きの時代から晩年の作品まで幅広く収蔵されているため、画業の変遷を追いながら鑑賞できる点も特徴です。
北大路魯山人の陶芸コレクション
横山大観と並ぶもう一本の柱が、美食家・陶芸家として知られる北大路魯山人の作品です。
2020年には専用展示棟「魯山人館」が開館し、約400〜500点にのぼる所蔵作品の中から書・刻字看板・食器など幅広いジャンルの名品が公開されています。器そのものの造形や釉薬の表現を間近で鑑賞できるため、日本画に馴染みがない方でも楽しみやすいセクションです。
由志園と足立美術館、どちらを優先すべき?【比較】
足立美術館・由志園それぞれの特徴の違い
足立美術館と由志園は、どちらも島根県東部にある日本庭園として比較されることが多いスポットですが、性格はかなり異なります。

足立美術館は「窓越しに眺める額絵としての庭園」と「横山大観をはじめとする美術コレクション」が中心で、屋内から鑑賞するスタイルです。

一方、大根島にある由志園は「牡丹と高麗人蔘の里」を掲げる池泉回遊式庭園で、庭園を実際に歩いて楽しむスタイル。
牡丹の彩りをはじめ様々な楽しみ方ができるのが由志園の魅力で、その一つが池泉回遊式日本庭園とのコラボレーションと言えるでしょう。名物である牡丹は4月下旬から5月上旬が見頃で、島の特産品である高麗人蔘にちなんだ展示や商品も扱われています。

「静かに座って庭と絵画をじっくり鑑賞したい」なら足立美術館、「庭園を歩き回って季節の花を楽しみたい」なら由志園、という選び方が一つの目安になるでしょう。
両者の違いを表にまとめました。
| 足立美術館 | 由志園 | |
|---|---|---|
| 最大の魅力 | 庭園+美術品 | 庭園+季節の花 |
| 楽しみ方 | 窓越しに庭を眺める | 庭園を歩いて巡る |
| 美術館としての充実度 | ◎ | △ |
| 花・季節感 | ○(紅葉・雪景色) | ◎(牡丹など) |
| 所要時間の目安 | 2〜3時間 | 1〜2時間 |
| おすすめの人 | 初めての島根観光、美術にも興味がある方 | 花・庭園を歩いて楽しみたい方 |
両方回れるか?車なら同日周遊も可能
足立美術館と由志園は車移動で約15分、10km程度の距離にあります。公共交通機関同士の直通ルートはないため、電車・シャトルバスのみで両方を1日で回るのは難易度が高くなりますが、車やタクシーを利用する場合は同日での周遊も可能です。
地元の観光タクシー会社が両施設を巡る4時間程度のコースを設定していることからも、車移動であれば十分に組み合わせられる距離感と言えます。
ベストシーズンはいつ?紅葉・雪景色など
足立美術館の庭園は一年を通して手入れが行き届いていますが、季節ごとに異なる表情が楽しめると言われています。
新緑がまぶしい春、緑が深まる夏に加え、11月ごろの紅葉シーズンは庭園全体が赤く染まり、写真映えするスポットとして人気です。
また積雪期には雪化粧した庭園が「生の額絵」として楽しめる、冬ならではの景観も魅力とされています。

紅葉・雪景色ともに天候や気温によって見頃の時期が前後するため、訪問時期が近づいたら公式サイトの最新情報もあわせて確認するのがおすすめです。
料金・営業時間・所要時間の目安
| 区分 | 料金 |
|---|---|
| 大人 | 2,500円 |
| 大学生 | 2,000円 |
| 高校生 | 1,000円 |
| 小中学生 | 500円 |
毎週土曜日は、小・中・高校生の入館料が無料になります。
営業時間
4月〜9月:9:00〜17:30/10月〜3月:9:00〜17:00(年中無休)
所要時間の目安
庭園と美術品をゆっくり鑑賞する場合、2〜3時間ほど見ておくと余裕を持って回れるでしょう。開館直後は比較的空いており、団体観光バスが到着し始める時間帯より前に入館すると落ち着いて鑑賞しやすいと言われています。
料金・営業時間は変更される場合があるため、最新情報は足立美術館公式サイトでご確認ください。
アクセス方法(概要)
足立美術館へは、JR安来駅から無料シャトルバスで約20分です。

車でお越しの場合は無料駐車場(普通車400台・大型バス30台収容)が用意されています。

玉造温泉からの詳しいルート比較(電車+シャトルバス/タクシー/車)は、以下の記事で解説しています。

安来市周辺での宿泊を検討している方は、以下から空室状況を確認できます。
足立美術館周辺でのランチ(概要)
足立美術館の館内には、庭園を眺めながら食事ができる喫茶室「大観」や、軽食向けの喫茶室「翠」があります。再入館の制約やシャトルバスとの兼ね合いなど、ランチ選びで失敗しないためのポイントは以下の記事で詳しく解説しています。

出雲大社・松江・玉造温泉とめぐるモデルコース
足立美術館は、出雲大社や松江城、玉造温泉と組み合わせて山陰旅行のコースに組み込まれることが多いスポット。
玉造温泉や松江市街からは日帰り圏内ですが、出雲大社とセットで無理なく回るなら2泊3日のスケジュールを目安にするとゆとりを持って観光できます。具体的なモデルコースは以下の記事で紹介しています。

足立美術館についてよくある質問
- 足立美術館の所要時間はどれくらいですか?
-
庭園と美術品をゆっくり鑑賞する場合、2〜3時間ほど見ておくと余裕を持って回れます。開館直後は比較的空いていると言われているため、時間に余裕がある方は朝一番の入館がおすすめです。
- 足立美術館と由志園、どちらに行くべきですか?
-
庭園と絵画をじっくり鑑賞したい方には足立美術館、庭園を歩き回って季節の花を楽しみたい方には由志園が向いていると言われています。車での移動であれば両施設は約15分の距離のため、1日で両方を回ることも可能です。
- 駐車場はありますか?
-
無料駐車場があり、普通車400台・大型バス30台を収容できます。台数に余裕があるため、駐車場探しで困る心配は少ないでしょう。
- 館内の写真撮影はできますか?
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庭園は撮影可能です。一方、横山大観や北大路魯山人の作品が並ぶ展示室では、著作権保護の観点から撮影が禁止されています。庭園を絵画のように切り取った写真を撮りたい方は、窓際からの構図を狙ってみてください。
- 車がなくてもアクセスできますか?
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可能です。JR安来駅から無料シャトルバスが運行しており、約20分で到着します。玉造温泉からの詳しいアクセス方法はこちらの記事で解説しています。
- 一度外に出た後、再入館はできますか?
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足立美術館公式サイトによると、やむを得ない場合を除き再入館はできません。ランチや休憩を挟む際の注意点はこちらの記事で詳しく解説しています。
まとめ
足立美術館は、22年連続で日本一に選ばれ続けている庭園と、横山大観をはじめとする近代日本画コレクションの両方を楽しめる美術館です。庭園を眺めるだけでも行く価値は十分にあります。
所要時間は2〜3時間を目安に、由志園との組み合わせや、出雲大社・玉造温泉を含めた山陰旅行の中でどう位置づけるかを考えながら、無理のないスケジュールを組んでみてください。
