「隠岐に行ってみたいけど、どこから調べればいいんだろう」
「島前と島後、どっちに行けばいいの?」
「何泊あれば見どころを回れるの?」
隠岐は島根半島の北の日本海に浮かぶ、4つの有人島からなる離島群です。
島ごとに景色も見どころも異なるため、地理感がないまま調べ始めると迷いやすいエリアでもあります。
この記事では、隠岐諸島の構成から、島前・島後どちらに行くかの判断基準、日数別の観光プラン、各島の見どころ、島内の移動手段、宿泊拠点の選び方までをまとめました。
本州から隠岐までの行き方の詳細は、別記事「隠岐へのアクセス完全ガイド」で解説しています。
隠岐とは?島前・島後4つの島でできた離島群
隠岐諸島には約180の島がありますが、人が住んでいるのは4つの島だけです。
本州に近い3島を合わせて「島前(どうぜん)」、やや離れた大きな1島を「島後(どうご)」と呼びます。

| エリア | 島名 | 町村名 | 玄関口の港 |
|---|---|---|---|
| 島後 | 隠岐の島 | 隠岐の島町 | 西郷港 |
| 島前 | 西ノ島 | 西ノ島町 | 別府港 |
| 島前 | 中ノ島 | 海士町 | 菱浦港 |
| 島前 | 知夫里島 | 知夫村 | 来居港 |
本州と隠岐の間は、隠岐汽船のフェリー・高速船に加えて、飛行機(出雲空港・伊丹空港〜隠岐空港)でも結ばれています。
ただし隠岐空港があるのは島後(隠岐の島町)だけで、島前3島に空港はありません。
島前へ行く場合は、本州から船で直接渡るか、島後の西郷港で船を乗り継ぐことになります。
島前3島・島後1島のどこに行くかによって、見どころも移動手段も大きく変わります。まずは次の章で、島前・島後どちらに行くかを考えましょう。
島前・島後どちらに行く?目的・日数・移動負担で選ぶ判断基準
隠岐は本州からの船便が限られるため、島前・島後を1回の旅行ですべて回るのは日程がタイトになりやすい離島です。
まずは目的別に、どちらに絞るかの判断材料を整理します。
島前・島後のどちらにも絶景と歴史スポットがありますが、色合いには違いがあります。
海食でできた断崖のダイナミックさを求めるなら島前・西ノ島町、複数のジャンルを1島でまとめて回りたいなら島後が向いています。島前・西ノ島町の摩天崖は海抜257mの断崖で、周辺の国賀海岸は奇岩・洞窟が約7kmにわたって続くエリア全体を指します。
島後は、隠岐一宮の水若酢神社や滝百選の壇鏡の滝といった内陸部の見どころと、夕日の名所ローソク島の遊覧船を、1つの島の中で組み合わせられます。
移動の負担で考えると、島後(隠岐の島町)は空港もあり、フェリー・高速船・飛行機のいずれでもアクセスできます。
島前3島は空港がなく、船での移動が前提になります。
さらに島前は西ノ島町・海士町・知夫村の3島に分かれているため、複数の島を回るなら島間の内航船の時刻も合わせて計画する必要があります。
1島に絞れば、島前でも島後でも移動の負担はそれほど変わりません。
興味が絶景・アウトドアに寄っているなら西ノ島町を中心にした島前、歴史・神社・のんびりした島時間を求めるなら島後を軸にするのが選びやすい基準です。
両方に興味がある場合や、日程に余裕がある場合は、次の章の日数別プランを参考にしてください。
何泊あればどこまで回れる?日数別の観光プラン

日帰りは可能か
結論から言うと、日帰りは条件付きで可能ですが、現地で使える時間は4時間程度に限られます。2026年9月25日時点の隠岐汽船の時刻表で確認したところ、朝に七類港を出て西郷港(島後)に渡り、同じ船が島前を回って戻ってくる便に乗り継げば、西郷での滞在は約4時間15分です。
高速船(レインボージェット)は本土発が夕方の1便のみで、本土行きは朝の1便が島発のため、高速船だけでは本土発の日帰り往復ができません。
日帰りなら、往復ともフェリーを使う行程になります。
約4時間では、島後の見どころを2〜3か所回るのが現実的です。
ローソク島遊覧船は夕方の出航のため、日帰りの行程には組み込めません。
便名・発着時刻・接続バスの詳細と、最新ダイヤの確認方法は隠岐へのアクセス完全ガイドにまとめています。
ダイヤは季節や旅行日によって変わるため、日程が決まったら隠岐汽船の公式サイトで最新の時刻表を確認してください。
1泊2日なら|島後だけ、または島前の一部だけ
1泊2日なら、島後だけ、または島前の一部(西ノ島町だけ、海士町だけなど)に絞ると、移動に追われずに見どころを回れます。島後だけの場合は、1日目にローソク島遊覧船で夕日を鑑賞し、2日目に水若酢神社・壇鏡の滝など内陸部の見どころを回る組み立てができます。
島前・西ノ島町だけの場合は、1日目に国賀めぐり定期観光船か定期観光バスで国賀海岸・摩天崖を回り、2日目に町内をゆっくり見る余裕が生まれます。
島前3島すべてを1泊2日で回ろうとすると、島間の内航船の乗り継ぎに時間を取られ、1島あたりの滞在が短くなります。
1泊2日で複数の島を回りたい場合は、島前内航船(いそかぜ・フェリーどうぜん)の時刻表を事前に確認し、乗り継ぎに無理がないかを見ておきましょう。
2泊3日以上なら|島前・島後の組み合わせ、4島めぐり
2泊3日以上あれば、島後と島前を組み合わせた行程や、島前3島をめぐる行程も選択肢に入ります。
たとえば1日目に島後(西郷)を観光して宿泊し、2日目に船で島前へ移動して西ノ島町を観光、3日目に海士町や知夫村を回るといった組み立てです。
4島すべてを回る行程は、船の接続によって日程がタイトになりやすいため、隠岐汽船と島前内航船の時刻表を照合してから計画してください。島前3島の間は内航船が結んでいますが、乗り継ぎの待ち時間が生じることもあります。
「どこか1島は次回に回す」という前提を持っておくと、日程に無理が出にくくなります。
島後(隠岐の島町)の見どころ|ローソク島・水若酢神社ほか
ローソク島|夕日が灯る隠岐の代表的な景勝地

ローソク島は、高さ約20mの岩の頂に夕日が重なると、まるでロウソクに火が灯ったように見えることからその名がついた景勝地です。
陸からは遠景でしか見えないため、間近で見るには遊覧船に乗る必要があります。
遊覧船は運航期間が4月1日〜10月31日で、出航時刻は日没に合わせて日ごとに変わります(4月上旬は17:10頃、10月下旬は16:10頃が目安です)。
料金は大人4,000円・小学生2,000円・未就学児無料で、乗船場所は重栖港福浦岸壁(西郷港から車で約33分)です。
運航期間中の出航であっても、岩と夕日がきれいに重なって見えるかどうかは、その日の雲の量や見る角度によって変わるといわれています。要予約制で、天候や海況によっては運航そのものが中止になる場合もあるため、事前予約と当日の運航確認が欠かせません。
水若酢神社|隠岐一宮の歴史ある社殿

水若酢神社は隠岐一宮で、水若酢命ほか2柱をまつります。
本殿は地方色豊かな「隠岐造り」と呼ばれる建築様式で、寛政7年(1795年)に建てられたものが国の重要文化財に指定されています。
ローソク島遊覧船と組み合わせて、隠岐一畑交通の定期観光バス(ジオバス)で回るコースもあります。
壇鏡の滝|日本の滝百選に選ばれた雄滝・雌滝
壇鏡の滝は、高さ40mの岸壁から雄滝・雌滝の2条が流れ落ちる滝で、「日本の滝百選」「全国名水百選」の両方に選ばれています。
西郷港から車で約50分、駐車場からは平坦な山道を歩いて数分で滝の前に出られます。
島前の見どころ|西ノ島町・海士町・知夫村
西ノ島町|国賀海岸・摩天崖

国賀海岸は、西ノ島町の西海岸に約7kmにわたって続く大断崖・奇岩の景勝地で、通天橋(アーチ状の岩)や、長さ200mの天然トンネル「明暗の岩屋」などが見られます。
摩天崖は海食でできた海抜257mの断崖で、崖の上は牛馬が放牧される草地になっています。
摩天崖〜国賀浜の遊歩道は「遊歩百選」に選ばれており、歩いて景色を楽しむこともできます。

国賀海岸の楽しみ方は、海から見るか、陸から見るかで変わります。
断崖を海側から間近に見上げたいなら国賀めぐり定期観光船、摩天崖の上から見下ろす景色と遊歩道のウォーキングを楽しみたいなら定期観光バスが向いています。どちらも運航期間は3月21日〜10月31日の毎日で、浦郷発着、料金は大人4,000円・小人2,000円、要予約です。
定期観光船は1日3便(10:50-12:20/13:00-14:30/15:00-16:30)、所要90分で、船から明暗の岩屋などの洞窟をめぐれる日もあります。
定期観光バスは1日2便(13:00-14:45/15:00-16:45)、所要1時間45分で、摩天崖・国賀浜を経由し、希望すれば約70分のウォーキングもできます。
摩天崖には国賀海岸駐車場があるため、レンタカーで自分のペースで行くこともできます。
ただし町営バスは摩天崖の駐車場まで運行していないため、車を使わない場合は観光タクシーか定期観光バスを利用することになります。
国賀めぐり定期観光船の詳細(西ノ島町観光協会)
国賀めぐり定期観光バスの詳細(西ノ島町観光協会)
海士町|隠岐神社・後鳥羽院資料館・明屋海岸

隠岐神社は、隠岐に配流された後鳥羽上皇の崩御700年にあわせて昭和14年(1939年)に建てられた神社で、隠岐造りの重厚な社殿が特徴です。
隣接する後鳥羽院資料館では、後鳥羽上皇にゆかりの品や、隠岐神社創建時の奉納品が展示されています。
開館時間は9:00〜17:00(最終入館16:30)、開館期間は3月1日〜11月30日(12〜2月は冬季休業)、毎週火曜休館です。
入館料は大人500円・小学生250円です。
明屋海岸は、太古の火山活動でできた赤い崖と、波に削られた岩が海面に浮かぶ景勝地です。
神話に登場する「たらい岩」「屏風岩」と呼ばれる岩が見どころです。
知夫村|赤壁・赤ハゲ山

赤壁は、知夫里島の西海岸に約1km続く断崖絶壁で、国の名勝・天然記念物に指定されています。
600万年前の火山活動の痕跡が観察できる、赤褐色の岩肌が特徴です。
来居港から車で約30分、駐車場から徒歩約5分の展望地から眺められるほか、海上から断崖を見上げる赤壁遊覧船もあります。
赤ハゲ山は知夫村の最高峰(標高325m)で、島前・島後の島々を一望できる大パノラマが広がります。
5〜6月には野だいこんの花が山肌を淡紫色に染め、牧歌的な風景を楽しめます。
島内の移動手段を選ぶ|島間移動・島内移動・遊覧
島間を移動する|内航船
島前3島(別府・菱浦・来居)の間は、隠岐観光株式会社が運航する内航船「いそかぜ」「フェリーどうぜん」で移動します。
旅客運賃は大人片道300円・小人100円で、いずれも予約不可・先着順です。
フェリーどうぜんは車両航送もでき、5m未満で1,000円です。
島後(西郷)と島前の間は、隠岐汽船のフェリー・高速船が担います。本州からの便がそのまま島前・島後をつなぐ周回ルートになっている便もあります。
島内を移動する|レンタカー・バス・観光タクシー
各島の主要港には、レンタカー会社があります。
西郷(島後)は隠岐ドライブレンタカー・マリーナレンタカー・ジャパレン隠岐マリーナ・隠岐レンタリース・隠岐一畑レンタカーの5社、別府(西ノ島町)はくにがレンタカー、菱浦(海士町)は海士町観光協会、来居(知夫村)は知夫里レンタカー(軽自動車5台、営業8:30〜17:00)が窓口です。
台数に限りがあるため、島内のレンタカーは早めに予約しておきましょう。
運転しない場合、島後(隠岐の島町)では隠岐一畑交通の路線バスが都万・五箇・中村・布施方面などへ走っており、西郷港からは隠岐病院で乗り換える便もあります。
知夫里島では定期運行バス・予約制タクシー・電動アシスト自転車(E-BIKE)も利用できます。
西ノ島町の摩天崖駐車場へは町営バスがないため、観光タクシーか国賀めぐり定期観光バスを利用します。
レンタカーが確保できない場合や運転しない場合は、各島の観光協会に相談すると、タクシーや周遊バスの組み合わせを案内してもらえます。
景色を楽しむ|定期観光船・観光バス
ローソク島遊覧船、国賀めぐり定期観光船・定期観光バスは、単なる移動手段ではなく、それ自体が観光の目的になる乗り物です。
島後の隠岐一畑交通の定期観光バス(ジオバス)は、玉若酢命神社・壇鏡の滝などを巡り、ローソク島遊覧船とセットで利用できるコースもあります。
日数別プランを組む際は、これらの遊覧船・観光バスの運航期間(多くが3月下旬〜10月末)と出航時刻を先に確認し、そこから逆算して日程を組むと計画が立てやすくなります。
どこに泊まる?宿泊拠点の選び方
隠岐は島間の移動に船を使うため、宿泊拠点をどの島にするかで翌日の行程が決まります。
その日の観光を終える島と、翌朝の移動手段が確保できる島を、宿泊拠点にするのが基本です。
たとえばローソク島遊覧船で夕日を鑑賞する日は、乗船場所の重栖港(西郷港から車で約33分)から宿への移動時間も考えて宿を選ぶと、遊覧船の帰りに無理がありません。
国賀めぐり定期観光船・バスで西ノ島町を観光する日も同様に、浦郷周辺での宿泊なら、遊覧船の出発・帰着に合わせて動きやすくなります。
島前3島を移動しながら回る場合は、内航船の始発・終発の時刻を確認し、乗り遅れない範囲で宿を決めましょう。
海士町・知夫村とも、港から徒歩圏の宿と、車での送迎が必要な宿の両方があります。
翌朝の内航船やフェリーの始発時刻を先に確認し、港からの距離を見て宿を選ぶと、朝の移動に余裕を持たせられます。
本州からのアクセスは?
本州からは、松江市の七類港・鳥取県境港市の境港からフェリー・高速船で、出雲空港・伊丹空港から飛行機で隠岐へ渡れます。
フェリーは車を積める代わりに時間がかかり、高速船は速いぶん車を積めません。
飛行機は出雲空港から隠岐空港まで約30分です。
本州側の出発港・空港の選び方、フェリー・高速船・飛行機の料金比較、車両航送の総額、予約の手順、欠航時の対応まで、行き方の詳細は次の記事にまとめています。

天候・季節で気をつけたいこと
隠岐の海は、夏から秋にかけて波がおだやかになり、透明度も上がるといわれています。
マリンレジャーや、海の色を楽しむ観光に向いている時期です。
ローソク島遊覧船や国賀めぐり遊覧船・観光バスは、いずれも天候・海況によって運航が中止になる場合があります。予約時の窓口(隠岐諸島観光総合案内窓口など)で当日の運航状況を確認し、見られなかった場合の代わりの過ごし方(内陸部の神社・資料館めぐりなど)も候補に入れておくと、天候に振り回されにくくなります。
本州とを結ぶフェリー・高速船・飛行機の欠航・欠便時の対応は、隠岐へのアクセス完全ガイドの該当章を参考にしてください。
隠岐の観光についてよくある質問
- 隠岐は日帰りで観光できますか?
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フェリーを使えば日帰りも可能ですが、現地での滞在時間は4時間程度に限られます。詳しくは「何泊あればどこまで回れる?」の章をご覧ください。
- 島前と島後、どちらに行くべきですか?
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断崖のダイナミックな景色を求めるなら島前・西ノ島町、1つの島で絶景と歴史スポットをまとめて回りたいなら島後が向いています。判断基準は「島前・島後どちらに行く?」の章で詳しく解説しています。
- ローソク島の夕日はいつ見られますか?
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遊覧船の運航期間は4月1日〜10月31日で、出航時刻は日没に合わせて日ごとに変わります。天候・海況によって運航しない場合もあるため、事前予約と当日の運航確認が必要です。
- レンタカーがなくても観光できますか?
-
島ごとに路線バス・定期観光バス・予約制タクシーがあり、これらを組み合わせれば運転しなくても代表的な見どころへ行けます。ただし摩天崖など一部のスポットは町営バスの路線外のため、観光タクシーか定期観光バスの利用が前提になります。詳しくは「島内の移動手段を選ぶ」の章をご覧ください。
