鳥取県の大山(伯耆大山)は、島根の出雲・松江から車で日帰りできる範囲にある山です。
この記事では、初心者が歩く「夏山登山道」を中心に、所要時間・駐車場・準備・登山届をまとめました。
夏山登山道は、登りが約3時間、下りが約2時間30分で、休憩を含めた往復は約6時間とされています。
出雲・松江から日帰りの行程は組めますが、朝早くに登り始める計画が前提です。
山頂まで運んでくれるロープウェイはなく、頂上の弥山(標高1,709m)までは自分の足で歩きます。
ロープウェイと間違えやすい乗り物は、大山スキー場を比較した記事で触れています。
| 山頂 | 弥山(標高1,709m) |
|---|---|
| コース | 夏山登山道(夏山登山口から山頂まで約2.9km) |
| 所要時間 | 登り約3時間/下り約2時間30分/往復約6時間(休憩を含む) |
| 避難小屋 | 6合目・頂上 |
| トイレ | 頂上避難小屋・6合目の携帯トイレブース(登山前に済ませるのが基本) |
| 入山協力金 | 1回500円、または年間3,000円 |
| 公式サイト | 大山観光局「夏山登山コース」 |
初心者は登れる?「登る・今回はやめる」を決める判断表

大山の夏山登山道は初心者向きのコースです。
ただ、初心者向きとはいっても、往復約6時間を歩く山であることは変わりません。
ぜひ次の表で、自分の経験と照らして考えてみてください。
| 項目 | コースの目安 | 自分に問うこと |
|---|---|---|
| 歩く時間 | 登り約3時間・下り約2時間30分(休憩を含めた往復で約6時間) | 数時間続けて歩いた経験があるか |
| 階段 | 登山口は石段で、7合目から急な登りになり足場も悪くなる | 階段を上り続けても脚が持ちそうか |
| 下り | 下りだけで約2時間30分 | 登りで力を使い切らず、下りの約2時間30分も歩ける体力を残せるか |
| 荷物 | 飲料水は1.5L以上、ザックは20〜30L程度が目安 | その重さを背負って歩けるか |
| 靴 | 登山靴が理想 | 足に合う登山靴を用意できるか |
| トイレ | 登山道にあるのは頂上避難小屋と、6合目の携帯トイレブース | 携帯トイレを使えるか |
| 時間 | 日没前に下山を終える計画が前提 | 山の中で暗くなる計画になっていないか |
不安な項目がいくつかある日は、山頂ではなく6合目避難小屋までを目標にするという方法もあります。
夏山登山口から6合目までの登りは約2時間で、そのぶん戻る時間も必要。
不安が大きい日は、今回は登らないという判断も正解です。
今回は登らないと決めた日の過ごし方は、登山をしなくても楽しめる大山の観光スポットとあわせて、出雲大社・松江からの日帰りモデルコースにまとめています。

いつまで登れる?残雪・初冠雪・天気で見送る条件
夏山開きの山頂祭は、2026年は6月7日に行われました。
夏山登山道を夏山の装備で歩けるのは、登山道に雪や氷がない間です。
標高3000メートル級の大山の冬はとても厳しさがある山。
雪が付いたあとの大山は、夏山登山道の延長ではなく冬山として考える必要があります。
積雪期は冬山登山の扱いになり、この記事で紹介するのは夏山登山道です。
冬山については、大山観光局の冬山登山のページで案内されています。
登る日を決めるときは、月よりも当日の条件を見ます。
次のどれかに当てはまる日は、登山自体を見送ることをおすすめします。
- 登山道や山頂付近に雪や氷がある、または雪の予報が出ている
- 雨・強風・雷の予報が出ている
- 出発が計画より大きく遅れ、朝のうちに登り始められない日
登り始めてから遅れたときの判断は、行程表の章で紹介します。
前日と当日の朝に、気象情報と大山観光局のお知らせを見ておくと、通行止めなどの情報も把握できます。
夏山登山道の所要時間と設備|登り約3時間・下り約2時間30分

大山観光局の夏山登山コースの案内をもとに、区間ごとの時間をまとめます。
| 区間 | 時間の目安 |
|---|---|
| 夏山登山口〜3合目 | 60分 |
| 3合目〜6合目 | 60分 |
| 6合目〜山頂(弥山) | 60分 |
| 登りの合計 | 約3時間 |
| 下りの合計(山頂〜夏山登山口) | 約2時間30分 |
この時間は歩く時間の目安で、休憩を含めた往復は約6時間とされています。
行程表を作るときは、歩く時間に休憩と山頂での食事の時間を足して考えます。
避難小屋は6合目と頂上にあります。
6合目の避難小屋は、3畳程度の木造平屋です。
7合目から急な登りになり、足場が悪くなります。
トイレの場所と種類
| 場所 | 種類 | ひとこと |
|---|---|---|
| 大山寺エリア(大山寺公衆便所) | 公衆便所 | 登山前に済ませる |
| 6合目避難小屋 | 携帯トイレブース(1基) | 通常のトイレではなく、携帯トイレを使う場所 |
| 頂上避難小屋 | 大は非水洗、小と女性用は水洗(令和8年5月12日開設) | 使用は最小限にする |
| 元谷避難小屋(行者谷コース沿い) | 非水洗トイレ | 夏山登山道の往復では通らない |
環境省も、大山登山道のトイレ施設は弥山頂上と元谷の避難小屋のみとして、登山前にトイレを済ませるよう案内しています。
各トイレの開設状況は、鳥取県のトイレ開設状況のページで見られます。
夏山登山道の往復か、行者谷コースで下るか
6合目の少し下に、行者谷コースとの分かれ道(行者谷別れ)があります。
下りだけ行者谷コースに変える場合の違いを、大山観光局の案内で比べました。
| 項目 | 夏山登山道で往復 | 行者谷コースで下る |
|---|---|---|
| 下りの時間(山頂から) | 約2時間30分(夏山登山口まで) | 約2時間15分(大山寺まで) |
| 難易度 | 初心者向き | 初級〜中級 |
| 注意点 | 7合目から急な登りで足場が悪い | 細かな階段が続く/元谷堰堤付近で道に迷いやすい/疲れた脚での転倒と膝への負担に注意 |
| トイレ | 6合目に携帯トイレブース | 元谷避難小屋に非水洗トイレ |
| 下山後 | 夏山登山口に戻る(南光河原駐車場まで徒歩約3分) | 大神山神社奥宮・大山寺側に着く(奥宮から南光河原駐車場まで徒歩約18分) |
下りの終点が夏山登山口と大山寺で異なるため、表の時間はそのままでは比べられません。
行者谷コースは、駐車場まで歩く時間を足して考えます。
初心者は、夏山登山道の往復を基準に考えるのがおすすめです。
行者谷コースを選ぶのは、6合目で時間と体力に余裕があり、天気が安定している日に限ります。
雨で足元が濡れている日や、疲れを感じる日は、夏山登山道で戻るほうが無理がありません。
出雲・松江から日帰りする行程表|出発時刻から逆算と引き返しの判断

出雲・松江から車で向かい、南光河原駐車場に停める想定で、出発時刻から逆算しました。
前提は次のとおりです。
- 車の所要時間は、Googleマップのルート検索(2026年10月9日、通常の交通量)で、松江駅から約55分(山陰道・国道9号経由)、出雲市駅から約1時間20分(山陰道経由)。いずれも有料区間を含む
- 登りと下りの時間は、大山観光局の目安(登り約3時間/下り約2時間30分)
- 休憩は、登りで合計30分、山頂で40分、下りで20分と仮定
- 高速道路の料金や渋滞、駐車場が満車のときの追加時間は含まない
| 時刻 | 行動 |
|---|---|
| 5:25/5:50 | 出雲市駅発/松江駅発 |
| 6:45 | 南光河原駐車場に到着(登山届・トイレ・準備) |
| 7:00 | 夏山登山口を出発 |
| 9:20 | 6合目避難小屋に到着(登り約2時間+休憩20分) |
| 10:30 | 山頂に到着(6合目から60分+休憩10分) |
| 11:10 | 山頂を出発(40分の滞在) |
| 14:00 | 夏山登山口に到着(下り約2時間30分+休憩20分) |
| 14:20 | 駐車場を出発 |
| 15:15/15:40 | 松江駅着/出雲市駅着 |
「往復約6時間」は休憩を含む目安です。
上記行程表は、山頂での食事と余裕を加えて、夏山登山口を約7時間で往復する計画。
この計画なら、14時ごろに下山を終え、夕方までに時間を残して戻れる計算です。
登り始めの時刻が1時間遅れると、帰着もそのぶん遅れるため、出発時刻は遅らせない計画にします。
遅れたときの引き返しの目安
以下は公式の基準ではなく、この行程表をもとにした目安です。
- 6合目に10時を過ぎても着かないときは、山頂を目指さず下山に切り替える
- 山頂に11時を過ぎても着かないときは、山頂を諦めて引き返す(計画では10時30分に着き、11時10分に下山を始める)
- 下山が15時を過ぎそうな日は、温泉への立ち寄りを省いて帰りの運転を優先する
南光河原駐車場が満車で博労座駐車場に停める場合は、登り始めも下山後も片道15分前後が加わります。
博労座に停める場合は、出発時刻を15分前倒しにして、登り始めの時刻を守ります。
遅れたときに削るのは、山頂での滞在と温泉の立ち寄りで、下山を始める時刻は動かさない計画にします。
電車で出雲市駅に着いてから車を借りる場合は、駅近のレンタカー店舗の位置と特徴を比較した記事が参考になります。

松江駅から借りる場合は、駅近の店舗の一覧と駅からの距離をまとめた記事があります。

どこに車を停める?南光河原駐車場と満車時の次の一手
登山口に近いのは、南光河原駐車場です。
夏山登山口まで徒歩約3分(210m)で、登山届のポストがあります。
夏山シーズンは、携帯トイレの回収ボックスも置かれています。
| 駐車場 | 南光河原駐車場 |
|---|---|
| 料金 | スキー場の営業期間以外は、乗用車・二輪車とも無料(大山町の条例)。スキー場の営業期間は有料 |
| 夏山登山口まで | 徒歩約3分(Googleマップ) |
| 設備 | 登山届のポスト/携帯トイレの回収ボックス(夏山シーズン)/入山協力金を払える総合案内所 |
| 住所 | 鳥取県西伯郡大山町大山(Google Map) |
| 公式サイト | 大山観光局「大山へのアクセス」 |
南光河原が満車のときは、博労座駐車場(約600台)に停めます。
グリーンシーズンは無料です。
博労座から夏山登山口までは徒歩約15分(0.6km)で、南光河原から博労座までは徒歩約9分です。
停められなかったときの行き先を決めておくと、当日に慌てずに済みます。
車を使わない場合
JR米子駅から大山寺までは、日本交通バスで約50分です。
登山に約6時間かかるため、下山後に乗るバスの時刻は、乗車前にバス会社の時刻表で見ておくと安心です。
前泊して朝から歩き始めたい場合は、夏山登山口まで車で約5〜8分のキャンプ場もあり、登山の前泊に向く施設を比較した記事があります。

宿に前泊する場合は、米子・皆生・大山エリアの宿から探す方法もあります。
【米子・皆生・大山エリアの空室・料金をチェック(じゃらん)】
【大山周辺の空室・料金をチェック(楽天トラベル)】
持ち物と服装|水量・登山靴・山頂の寒さ・携帯トイレ
| 持ち物 | 目安 | ひとこと |
|---|---|---|
| 登山靴 | 足に合うもの | 大山観光局は登山靴が理想で、フィット感が重要と案内しています |
| ザック | 20〜30L程度 | 両手が空く荷物の持ち方にします |
| 飲料水 | 1.5L以上 | 暑い日や汗をかく日は多めに用意します |
| 防寒着 | 山頂用に1枚 | 1,000m高くなると気温は約6度下がるとされています。夏山登山口から山頂までの標高差は約1,000mで、麓が15度の日は山頂で9度前後が目安です。風があると体感はさらに低くなります |
| レインウェア | 雨と風の備え | 山頂付近は麓より気温が下がり、天候も変わりやすい |
| 行動食 | こまめに食べられるもの | 山頂で食事をとる時間も見込みます |
| ヘッドライト | 下山が遅れたときの備え | 両手が空き、足元を照らせます |
| 携帯トイレ | 1セット300円 | 6合目の自動販売機(100円硬貨のみ)、頂上避難小屋の売店(夏山シーズンのみ)、モンベル大山店、大山参道市場で販売 |
麓が暖かい日でも、山頂は気温が下がるので、脱ぎ着しやすい重ね着で調整する服装がおすすめ。
携帯トイレの使用後は、便袋を密封して持ち帰ります。
夏山シーズンは、大山ナショナルパークセンターと南光河原駐車場に回収ボックスがあります。
また、大山観光局は、6月ごろからの繁殖期にクマへ注意するよう案内しています。
出発前にすること|登山届・入山協力金(1回500円)
登山届と下山届
大山観光局は、登山届と下山届を必ず提出するよう案内しています。
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| 窓口・ポスト | 大山寺駐在所/モンベル大山店/南光河原駐車場/夏山登山道/休暇村奥大山/一向平野キャンプ場管理棟 |
| インターネット | 「とっとり電子申請サービス」から、大山遭難防止協会宛に提出 |
| 下山届 | 下山後に提出する(提出先は大山寺駐在所。オンラインでも提出できる) |
提出場所の最新の案内は、鳥取県の大山登山情報で見られます。
入山協力金
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 金額 | 1回500円(500円を超える額も可)、または年間3,000円 |
| 窓口・募金箱の期間(令和8年) | 4月25日〜11月15日(避難小屋売店の営業終了まで) |
| 支払場所 | 大山頂上避難小屋/大山ナショナルパークセンター/大山自然歴史館(随時のみ)/南光河原駐車場総合案内所(随時のみ) |
| 電子決済 | J-CoinPay(専用アプリが必要)、通年 |
| 対象外 | 高校生以下の児童・生徒など(対象は鳥取県のページで案内されています) |
窓口と募金箱は11月15日までで、電子決済は通年で使えます。
詳しくは鳥取県の大山入山協力金制度のページをご覧ください。
下山後は大山の日帰り温泉へ
下山後に温泉へ寄る場合は、帰りの運転まで含めて時間を考えます。
行程表のように14時ごろに下山できれば、入浴の時間を取っても夕方までに帰途につく計画にできます。
下山が遅れたときは、温泉を省いて帰る判断も必要です。
下山後に寄れる日帰り入浴6施設は、料金・最終受付・帰り道で比較しています。

大山登山についてよくある質問
- 大山登山は初心者でも登れますか?
-
大山観光局は、夏山登山道を初心者向きと案内しています。
ただし、登りが約3時間、下りが約2時間30分かかる山です。
歩く時間・階段・荷物・トイレの項目を、判断表で自分の経験と照らして決めてください。 - 大山登山はスニーカーでも大丈夫ですか?
-
大山観光局は、登山靴が理想で、フィット感が重要と案内しています。
7合目から急な登りで足場が悪くなるため、スニーカーで登れるとは言い切れません。 - 大山の山頂までロープウェイはありますか?
-
ありません。
頂上の弥山までは歩いて登ります。
ロープウェイと間違えやすい乗り物は、大山スキー場を比較した記事で説明しています。 - 大山登山の所要時間はどれくらいですか?
-
夏山登山道は、登りが約3時間、下りが約2時間30分です。
休憩を含めた往復は約6時間とされています。 - 登山口の駐車場は無料ですか?
-
南光河原駐車場は、スキー場の営業期間以外は乗用車・二輪車とも無料です。
博労座駐車場も、グリーンシーズンは無料です。
スキー場の営業期間は有料になります。 - 登山届は必要ですか?
-
大山観光局は、登山届と下山届を必ず提出するよう案内しています。
南光河原駐車場や大山寺駐在所のポストのほか、インターネットでも提出できます。
