「温泉津温泉って、どんな魅力があるの?」
「元湯と薬師湯、どっちに入ればいいの?」
温泉津温泉(ゆのつおんせん)を旅程に入れるか迷っている方が、まず引っかかるのはこのあたりではないでしょうか。
温泉津温泉は、島根県大田市にある小さな温泉街。それでも世界遺産・石見銀山の構成資産に含まれ、温泉街としては全国で唯一、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。
この記事では、温泉の2つの外湯の違いと選び方、滞在時間の目安、出雲大社・石見銀山からのアクセス、毎週土曜の夜神楽まで、旅程を組むために必要な情報をまとめて紹介します。
先に1つだけ。夜神楽が舞われるのは土曜、外湯の元湯は月曜・木曜の日中が一般利用の対象外、カフェは木曜が定休日です。温泉津は訪れる曜日で体験が大きく変わる温泉地と言えます。
温泉津温泉とは|1300年の温泉とレトロな町並みが残る港町
温泉津温泉は、島根県の西部・大田市温泉津町にある温泉地です。
開湯は約1300年前と伝えられ、江戸時代には石見銀山で採れた銀を積み出す港として栄えました。その後は北前船の寄港地としてにぎわい、その時代ごとの建物が今も温泉街に残っています。

温泉津温泉の特徴を、先に4つだけ整理しておきます。
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 世界遺産エリア | 世界遺産「石見銀山遺跡とその文化的景観」の構成資産に含まれる |
| 温泉街として全国で唯一 | 国の重要伝統的建造物群保存地区に、温泉街として全国で唯一選定されている |
| 源泉かけ流し | 2つの外湯はどちらも源泉かけ流し。泉質はナトリウム-塩化物泉 |
| 外湯文化が残る | 宿泊客だけでなく地元の人も通う共同浴場が、今も生活の一部として使われている |
石州瓦の赤い屋根が連なる温泉街は、主な見どころが徒歩圏に収まるほどコンパクトです。
この規模の小ささが物足りなさに感じられるか、落ち着いた時間として心地よく感じられるかで、温泉津の評価は分かれるでしょう。
逆に言えば、「温泉に入って、古い町並みを歩いて、静かに過ごす」という目的がはっきりしている方には、島根でもかなり満足度の高いエリアになるはずです。
温泉津温泉の元湯と薬師湯、どっちがおすすめ?違いを比較
温泉津温泉には、日帰りで入れる外湯が「元湯(泉薬湯)」と「薬師湯」の2つあります。徒歩1分ほどの距離に並んで建っていますが、性格はかなり違います。
まず比較表で全体像を押さえてください。

| 元湯(泉薬湯) | 薬師湯 | |
|---|---|---|
| 雰囲気 | 地元の共同浴場そのもの | 観光客も入りやすい |
| 湯温 | 熱め(46〜48℃の浴槽あり) | 熱いが比較的入りやすい |
| 建物 | 素朴・昔ながら | 隣接する大正期の木造洋館が見どころ |
| 湯上がりの休憩 | 座敷での休憩スペース | 洋館2階のカフェ・休憩スペース |
| 温泉初心者 | △ | ◎ |
| 温泉好き | ◎ | ◎ |
| 入浴料(大人) | 500円 | 600円 |
ひとことでまとめると、
「昔ながらの共同浴場を体験したいなら元湯」
「初めての温泉津で失敗したくないなら薬師湯」
です。
元湯|かなり熱め。昔ながらの共同浴場を体験したい人向け
元湯(泉薬湯)は、温泉津温泉でもっとも古い源泉を持つ外湯。源泉温度は49.9〜50.0℃で、それを加水も加温もせずそのまま使っています。
浴槽は温度別に3つに分かれています。
- 熱い湯:46〜48℃
- ぬるい湯:43〜44℃
- 初めての方向けの湯:38〜40℃
一般的な温泉の適温が40〜42℃前後と言われることを考えると、「熱い湯」は相当な熱さです。初めての方は迷わず「初めての方向けの湯」から入るのが無難。
元湯は観光施設というより、地元の方が日常的に通う共同浴場です。湯船の使い方や譲り合いの作法が自然にできあがっているので、先に入っている方の様子を見ながら静かに入るのがおすすめです。
私が以前訪れた際、何も知らずに熱い湯に入ろうとしたら、地元の常連さんらしき方に止められました。ぬるい湯でも熱いと感じたので、いきなり入らなくてよかったと思っています。
| 施設名 | 泉薬湯 温泉津温泉元湯 |
| 入浴料 | 大人(中学生以上)500円/子ども(1歳以上〜小学生以下)250円 |
| 営業時間 | 3月〜11月 6:00〜20:00(最終受付19:30)/12月〜2月 6:00〜19:00(最終受付18:30) |
| 月・木の注意 | 月曜・木曜の一般利用は6:00〜8:00(最終受付7:30)まで。以降は予約会員の利用時間 |
| 定休日 | 毎年11月第3月曜日 |
| 住所 | 島根県大田市温泉津町温泉津ロ208-1 |
| 電話番号 | 0855-65-2052 |
| 公式サイト | 泉薬湯 温泉津温泉元湯 |
とくに注意したいのが月曜と木曜です。この2日は一般利用が朝6時〜8時までで、それ以降は予約会員向けの時間帯に切り替わります。
月曜・木曜の日中に元湯だけを目当てに立ち寄ると、入れずに終わる可能性があります。旅程がこの曜日にかかる場合は、薬師湯とセットで考えるか、事前に電話で確認してください。
薬師湯|初めての温泉津なら入りやすく、建物も見どころ
薬師湯は、元湯に比べて湯温がおだやかで、温泉津が初めての方でも入りやすい外湯です。日本温泉協会の天然温泉の審査で最高評価を受けた100%源泉かけ流しの湯として紹介されています。
薬師湯がもう一つおもしろいのは、隣に建つ木造洋館です。これは大正時代に建てられた薬師湯の旧館で、温泉津に現存する温泉施設としては最古のもの。
現在は1階が「震湯カフェ内蔵丞」、2階が湯上がりの休憩スペースになっています。
温泉に入り、洋館の2階でひと休みして、町並みを眺める。この流れができるので、「温泉津らしさ」をいちばん短時間で味わえるのは薬師湯です。
| 施設名 | 温泉津温泉 薬師湯 |
| 入浴料 | 大人600円/子ども300円 |
| 営業時間 | 9:00〜21:00 |
| 定休日 | 無休 |
| 駐車場 | 30台(温泉街に分散) |
| 住所 | 島根県大田市温泉津町温泉津7-1 |
| 電話番号 | 0855-65-4894 |
| 公式サイト | 薬師湯 温泉津温泉 |
元湯と薬師湯、両方入るならどちらを先にする?
2つとも入りたい場合、おすすめは「薬師湯 → 元湯」の順です。理由は3つあります。
- 薬師湯で湯温に体を慣らしてから元湯に入ると、元湯の熱さに対応しやすい
- 薬師湯は9時から、元湯は朝6時から営業。夕方に元湯を回す方が時間の融通がきく
- 薬師湯の洋館2階で休憩できるので、1湯目の湯上がりの居場所に困らない
ただし前述のとおり、月曜・木曜は元湯の一般利用が朝8時までです。この2日に両方入りたいなら「早朝に元湯 → 9時に薬師湯」という逆の順番になります。
2つの外湯をはしごすると体への負担は小さくありません。間に1時間以上あけて、水分を取りながら回るようにしてください。
日帰り入浴の料金・営業時間・持ち物
温泉津温泉の外湯は2つとも日帰り入浴ができます。
| 元湯(泉薬湯) | 薬師湯 | |
|---|---|---|
| 大人 | 500円 | 600円 |
| 子ども | 250円 | 300円 |
| 営業時間 | 6:00〜20:00(12〜2月は19:00まで) | 9:00〜21:00 |
| 定休日 | 11月第3月曜日 | 無休 |
持ち物で気をつけたいのはタオルです。共同浴場のため、宿泊施設のようにタオルが備え付けられているとは限りません。販売やレンタルがある場合もありますが、持参しておくのが確実です。
- フェイスタオル・バスタオル(持参が安心)
- 飲み物(湯上がりの水分補給用)
- 小銭(券売機や自販機で使う場面がある)
- 着替え(湯上がりに汗が引きにくいことがあるため)
温泉の効能については、体質や体調によって感じ方が異なります。持病がある方や体調に不安がある方は、無理をせず短めの入浴にとどめてください。
温泉津温泉は日帰りで十分?泊まるべき?滞在時間の目安
温泉津温泉は町がコンパクトなので、「何時間必要か」で迷う方が多いエリア。滞在時間別の目安をまとめました。
| 滞在時間 | できること | 向いている人 |
|---|---|---|
| 2〜3時間 | 外湯1つ+温泉街の散策 | 石見銀山とセットで立ち寄りたい |
| 半日 | 外湯1〜2つ+カフェ+町並み散策 | 温泉津をしっかり味わいたい |
| 1泊 | 上記+夜神楽+朝の元湯 | 温泉津を目的地として訪れたい |
結論から言うと、旅程の中でもっとも満足度が高いと言えるのは石見銀山とセットで1日を使い、そのまま温泉津に泊まる組み方。具体的なタイムテーブルは後述しますが、迷っているならこの形を軸に考えてください。
2〜3時間|外湯+温泉街散策
もっとも多いのが、石見銀山を観光した後に立ち寄るパターン。

薬師湯に入り、温泉街を歩いて洋館の写真を撮る。「温泉津がどんな町か知りたい」という目的なら、この2時間ほどでも十分に成立します。
半日|外湯+カフェ+街歩き
震湯カフェ内蔵丞でのランチや、立派な登り釜で有名な温泉津やきものの里まで足を延ばすなら半日は見ておきたいところです。外湯を2つはしごするのもこの時間帯からになります。

ただし、後述のとおり温泉津は飲食店が多い町ではありません。カフェを組み込むなら定休日の確認が必須です。
1泊|夜神楽まで楽しむなら宿泊がおすすめ
温泉津で宿泊する最大の理由は、毎週土曜に龍御前神社で行われる夜神楽です。開演が20時、終演が21時30分。ここから車で移動して別の町に泊まるのは現実的ではありません。

夜神楽を観るなら、温泉津に泊まるのが前提だと考えてください。
温泉津温泉に泊まるメリット
夜神楽以外にも、泊まることで得られるものがあります。

- 日帰り客がいなくなった夜の温泉街を歩ける(灯りの落ちた通りの静けさはこの時間帯だけ)
- 朝6時から開いている元湯に、混雑前の時間帯に入れる
- 日本海が近く、宿の食事で地の魚が出る宿が多い
- 宿の内湯も源泉かけ流しのところがあり、外湯と飲み比べならぬ入り比べができる
温泉津の主な宿は、離れの客室と2種類の湯を持つ「輝雲荘」、大正元年創業で薬師湯の源泉を引く「のがわや旅館」、木造の建物を生かしカフェ・バーを併設する「なかのや旅館」など。いずれも大型ホテルではなく、こぢんまりとした宿が中心です。
宿の数が限られるため、土曜(夜神楽の日)は早めに埋まります。日程が決まったら先に宿を押さえておくことをおすすめします。
石見銀山観光をメインにして温泉津にこだわらない場合は、大田市内の宿も候補になります。
出雲大社・石見銀山から温泉津温泉へのアクセス
温泉津温泉は島根県西部にあり、出雲大社や松江からは少し距離があります。ここを見誤ると旅程が崩れるので、先に所要時間の感覚をつかんでおいてください。

| 出発地 | 車での所要時間の目安 |
|---|---|
| 石見銀山(大森) | 約20〜25分 |
| 出雲大社 | 約1時間15分 |
| 松江市街 | 約1時間45分 |
| 浜田道 大朝IC | 約60分 |
※所要時間は目安です。実際の交通状況によって変わるため、出発前に経路検索でご確認ください。
石見銀山から温泉津温泉|車で約20〜25分
温泉津温泉にもっとも近い主要観光地が石見銀山です。車なら20〜25分ほどで、両者は世界遺産の構成資産として歴史的にもつながっています。
車がない場合は、石見銀山と温泉津を結ぶ乗合タクシーが運行しています(所要25分程度)。本数が限られるため、利用する場合は事前に時刻と予約方法を確認してください。

出雲大社から温泉津温泉|車で約1時間15分
出雲大社から温泉津温泉へは、山陰道と国道9号を使って約1時間15分が目安です。
出雲大社から石見銀山までが車で約1時間、そこから温泉津まで20〜25分なので、石見銀山を挟んでもほぼ同じ時間感覚で移動できます。
つまり「出雲大社を朝に参拝 → 石見銀山 → 温泉津に宿泊」という流れは、移動距離としてかなり自然です。島根旅行2日目の行き先に迷っているなら、この組み合わせは有力な選択肢になります。
松江から温泉津温泉|車で約1時間45分
松江市街からは約1時間45分。日帰りで往復すると移動だけで3時間半を超えるため、松江を拠点にした日帰りはあまりおすすめできません。
松江・玉造温泉方面から向かうなら、温泉津で1泊するか、石見銀山とセットで丸一日を確保する組み方が現実的です。
JR温泉津駅から温泉街まで
電車の場合は、JR山陰本線の温泉津駅が最寄りです。駅から温泉街まではバスで約5分、「温泉前」で下車します。
松江・出雲方面から温泉津への長距離バスは運行していません。公共交通機関で向かう場合はJR山陰本線を使うことになります。出雲市駅から温泉津駅までは1時間15分前後ですが、本数が多くないため時刻表の事前確認は必須です。
駅から温泉街までのバスも本数が限られます。到着時間によってはタクシーの利用も想定しておくと安心です。
車で島根を回る予定なら、出雲空港や主要駅でレンタカーを借りるのが結局いちばん自由度が高くなります。
石見銀山と温泉津温泉を1日で回るおすすめルート
温泉津温泉の楽しみ方としてもっとも完成度が高いのが、石見銀山とセットにして1日を使い、そのまま温泉津に泊まるルートです。夜神楽が行われる土曜に合わせるのが理想です。
| 時間 | 行動 |
|---|---|
| 9:00 | 石見銀山世界遺産センターに到着、大森地区へ |
| 9:30 | 龍源寺間歩・大森の町並みを散策 |
| 13:00 | 大森地区でランチ |
| 14:30 | 温泉津へ移動(車で約20〜25分) |
| 15:00 | 温泉津の温泉街を散策・洋館の写真を撮る |
| 16:00 | 薬師湯で入浴、洋館2階で休憩 |
| 18:00 | 宿にチェックイン、夕食 |
| 20:00 | 龍御前神社で夜神楽(〜21:30) |
翌朝は、朝6時から開いている元湯に入ってから出発すると、温泉津の2つの外湯を無理なく体験できます。

石見銀山側の回り方や所要時間は、こちらの記事で詳しく解説しています。

石見銀山と温泉津を1日で回るなら、石見銀山は午前中に持ってくるのが鉄則。
大森地区から龍源寺間歩までは片道約2.3km、歩くと片道30分〜1時間かかり、想定より時間を使います。午後から入ると温泉津に着くのが夕方になり、外湯に入る時間がなくなります。
龍御前神社の夜神楽|開催日・料金・予約方法
温泉津温泉でもっとも独自性が高い体験が、龍御前神社(たつのごぜんじんじゃ)で行われる石見神楽の夜神楽です。

龍御前神社は、社殿の背後に龍の頭のような巨岩がそびえる神社で、海上安全や豊漁の守り神として祀られてきました。
その社殿の中で、太鼓と笛の音を間近に浴びながら石見神楽を観る。これが温泉津の夜神楽です。
夜神楽はいつ見られる?
定期公演は毎週土曜日に行われています。ただし、夏祭りや盆踊り、年末年始などの都合で休演となる日があります。また、通常の定期公演とは別に、ろうそくの灯りだけで舞う「ろうそく神楽」や、無料で観覧できる「奉納神楽」といった特別公演が年に数回組まれることもあります。
訪問予定日に公演があるかどうかは、必ず事前に確認してください。
料金・上演時間
| 開催 | 毎週土曜日(休演日あり) |
| 時間 | 20:00〜21:30 |
| 料金 | 1席2,000円(子どもも1席分の料金) |
| 定員 | 55名程度 |
| 会場 | 龍御前神社(島根県大田市温泉津町温泉津) |
| 予約先 | 温泉津温泉旅館組合 TEL 0855-65-2998 |
予約方法|当日でも見られる?
夜神楽は完全予約制です。予約は温泉津温泉旅館組合への電話で受け付けています。
当日に空席があれば観覧できる場合もあると案内されていますが、席数が55程度と少なく、全席予約席として運用されているという案内もあります。当日券を前提にした旅程は組まないでください。宿泊が決まった時点で、宿の予約とあわせて夜神楽も押さえておくのが確実です。
宿によっては夜神楽の予約を取り次いでくれる場合もあります。宿を予約する際に一緒に相談してみてください。
夜神楽を見るなら宿泊がおすすめ
終演が21時30分。ここから出雲市方面へ戻ると到着は23時近くになり、松江ならさらに遅くなります。
加えて、夜神楽の後に静まり返った温泉街を宿まで歩いて帰る時間も、温泉津の夜ならではです。夜神楽を組み込むなら、温泉津での宿泊とセットで考えてください。
温泉津温泉と周辺のおすすめ観光スポット
外湯と夜神楽以外にも、温泉津には見どころがあります。徒歩で回れるものと、車が必要なものに分けて紹介します。
温泉津温泉街の町並み【徒歩】
温泉津のいちばんの見どころは、実は温泉街そのもの。江戸・明治・大正・昭和それぞれの時代の建物が同じ通りに並び、石州瓦の赤い屋根が続きます。
観光地として整備されすぎておらず、今も人が暮らしている町だという点が、この町並みの価値です。

写真を撮るなら、震湯カフェ内蔵丞の前の路地から木造洋館を狙うのが定番のポジションです。
龍御前神社【徒歩】
夜神楽の会場ですが、昼間の参拝もおすすめ。社殿の裏手にそびえる巨岩は龍の頭に見立てられ、ご神体とされてきました。裏手からは温泉街と港を見下ろすことができます。

夜神楽を予約している方も、明るいうちに一度下見をしておくと当日の移動が楽になります。
温泉津観光案内所「ゆう・ゆう館」【徒歩】
温泉津港にある観光案内所。
広い駐車場とトイレがあるため、車で来た方の拠点として使いやすい場所です。温泉津の歴史に関する展示もあり、町を歩く前に立ち寄ると町並みの見え方が変わります。
大田市観光協会 温泉津観光案内所 TEL 0855-65-2065
温泉津やきものの里・やきもの館【車】
温泉津は、江戸時代から続く「温泉津焼」の産地でもあります。やきものの里には、江戸時代中期の登り窯を復元した15段・全長30mと10段・全長20mの巨大な登り窯2基があり、全国でも最大級の規模です。

| 施設名 | 温泉津やきもの館 |
| 開館時間 | 9:00〜17:00 |
| 入館料 | 無料 |
| 休館日 | 水曜日・年末年始(12月29日〜1月3日)※臨時休館あり |
| 創作体験 | 2,000円(要予約・受付は16:00まで) |
| 公式サイト | 温泉津やきものの里・やきもの館 |
温泉街からは車ですぐの距離です。手びねりや絵付けの体験ができるため、雨の日の予定としても使えます。
沖泊・鞆ヶ浦【車】
沖泊(おきどまり)と鞆ヶ浦(ともがうら)は、石見銀山で採れた銀を積み出した港の跡で、どちらも世界遺産の構成資産です。

沖泊は温泉津の隣の入り江にあり、船をつなぎ留めるために岩を削った「鼻ぐり岩」が今も岩肌に残っています。
観光施設のようなものはありませんが、静かな入り江に当時の痕跡だけが残る風景は、石見銀山の歴史を追いかけている方には見応えがあります。
鞆ヶ浦は温泉津からさらに北東の海沿いにあり、銀山からここまで銀を運んだ「鞆ヶ浦道」は全長約7.5kmの街道として世界遺産に含まれています。
どちらも温泉街から歩いて行ける距離ではありません。車での移動が前提で、道も細い区間があります。時間に余裕がある方向けのスポットと考えてください。
温泉津温泉でランチ・カフェならここ
温泉津は飲食店が多い町ではありません。だからこそ、行く店をあらかじめ決めておくと安心です。
震湯カフェ内蔵丞(くらのじょう)
薬師湯の隣、大正時代の木造洋館の1階にあるカフェです。温泉津でランチをするなら、まず候補に挙がります。
看板メニューは、石見銀山にまつわる内藤家の口伝をもとにした「温泉津の奉行飯」。薬師湯の源泉で蒸した季節の野菜を使った「野菜蒸し」や温泉卵など、温泉地ならではのメニューが揃います。
| 店名 | 震湯カフェ内蔵丞 |
| 営業時間 | 11:00〜15:00(ラストオーダー14:30) |
| 定休日 | 火曜日・木曜日(年末年始は要問い合わせ) |
| 住所 | 島根県大田市温泉津町温泉津 |
| 電話番号 | 0855-65-4126 |
| 公式サイト | 震湯カフェ内蔵丞 |
営業は15時まで、火曜と木曜が定休です。元湯の一般利用が朝までとなる月曜・木曜のうち、木曜はカフェも休みになります。木曜に温泉津を訪れる予定なら、この2つは特に注意してください。
色shiki
温泉街にあるカフェで、ランチのほか夜はアルコールも提供しています。看板メニューはバスク風のチーズケーキ「拝啓チーズ殿」。自家焙煎のコーヒーや季節の食材を使ったスイーツが楽しめます。
夜も開いている貴重な店ですが、営業時間・定休日は変更されることがあります。訪問前に公式Instagramで最新情報をご確認ください。
夜の食事は宿泊先で確保しておくのがおすすめ
ここは温泉津でいちばん失敗しやすいポイントです。
温泉津の温泉街には、夜に営業している飲食店がほとんどありません。「着いてから探せばいい」と考えていると、夕食にありつけない可能性があります。
宿泊するなら、2食付きのプランを選んでおくのが基本です。温泉津の宿は日本海の地魚を使った料理を出すところが多く、食事目当てで泊まる価値もあります。素泊まりにする場合は、営業している店があるか事前に宿へ確認しておいてください。
温泉津温泉へ行く前に知っておきたいこと
最後に、旅程が固まった段階で確認しておきたい実務的なポイントをまとめます。

駐車場
温泉街は道幅が狭く、車で乗り入れると転回に苦労する場所があります。
- 薬師湯の駐車場:30台分あるが、温泉街に分散している
- ゆう・ゆう館(温泉津観光案内所):広い駐車場とトイレがある
- 宿泊する場合:宿の駐車場を利用する
日帰りで町歩きもする予定なら、ゆう・ゆう館の駐車場に停めて、そこから歩いて温泉街に入るのが分かりやすい方法です。
温泉街は徒歩で回れる?
温泉街の中は徒歩で問題なく回れます。元湯・薬師湯・震湯カフェ内蔵丞・龍御前神社は、いずれも歩いて数分の範囲に収まっています。
一方で、温泉津やきものの里、沖泊、鞆ヶ浦は徒歩圏ではありません。これらを含めるなら車が必要です。「温泉津観光=徒歩でぜんぶ回れる」と考えていると予定が狂うので、車で行く範囲と歩く範囲を分けて計画してください。
コンビニ・食事処は多くない
温泉街にコンビニや大型チェーン店はありません。買い物は温泉津駅の近くにある地元のスーパーなどが中心になります。飲み物や軽食、常備薬などが必要になりそうな方は、大田市街や国道沿いで済ませてから向かうほうが確実です。
ATMや医療機関も限られます。長期滞在や湯治目的の場合は、事前に周辺の状況を確認しておくと安心です。
入浴するときの注意点
- 元湯は湯温が高いため、初めての方は「初めての方向けの湯」から入る
- 共同浴場のため、洗い場や湯船は譲り合って使う
- タオルは持参しておくのが確実
- 外湯のはしごは間隔をあけ、水分をこまめに取る
冬・雨の日の観光
温泉津は海に近いため、冬は雪よりも風と雨の影響を受けやすいエリアです。山陰の冬は曇りや雨の日が多く、町歩きの時間は短くなりがちです。
雨の日でも、外湯・震湯カフェ内蔵丞・温泉津やきもの館の創作体験・夜神楽は問題なく楽しめます。むしろ温泉と屋内の体験が中心になる温泉津は、天気に左右されにくい観光地とも言えます。
逆に、沖泊や鞆ヶ浦の散策、町並みの写真撮影を目的にしているなら、天気予報を見て日程を調整する価値があります。
温泉津温泉についてよくある質問
- 元湯と薬師湯はどちらがおすすめですか?
-
初めて温泉津を訪れる方には薬師湯をおすすめします。湯温が比較的おだやかで、隣接する大正期の木造洋館の2階で湯上がりに休憩できるためです。昔ながらの共同浴場の雰囲気や、46〜48℃の熱い湯を体験したい方は元湯が向いています。時間があれば「薬師湯 → 元湯」の順で両方入るのが理想です。
- 温泉津温泉の観光には何時間必要ですか?
-
外湯を1つと温泉街の散策だけなら2〜3時間です。カフェや温泉津やきものの里を加えるなら半日、夜神楽まで楽しむなら1泊が必要になります。主な見どころが徒歩圏に収まる規模なので、目的を絞れば短時間でも成立します。
- 石見銀山と温泉津温泉は1日で回れますか?
-
回れます。両者は車で約20〜25分の距離です。ただし石見銀山は龍源寺間歩まで歩くと片道40分ほどかかるため、石見銀山を午前中に、温泉津を午後に組むのが基本です。詳しい回り方は石見銀山観光ガイドで解説しています。
- 温泉津温泉の日帰り入浴はできますか?
-
できます。元湯(大人500円)と薬師湯(大人600円)の2つの外湯が日帰り入浴に対応しています。薬師湯は9:00〜21:00で無休、元湯は6:00〜20:00(12〜2月は19:00まで)です。ただし元湯は月曜・木曜の一般利用が6:00〜8:00までとなるため、この2日の日中に訪れる場合は注意が必要です。
- 温泉津温泉の夜神楽は予約なしでも見られますか?
-
完全予約制のため、事前予約をおすすめします。当日空席があれば観覧できる場合もあると案内されていますが、定員が55名程度と少なく確実ではありません。予約は温泉津温泉旅館組合(TEL 0855-65-2998)で受け付けています。毎週土曜20:00〜21:30、1席2,000円です。
- 温泉津温泉に駐車場はありますか?
-
あります。薬師湯の駐車場が30台分(温泉街に分散)、温泉津港の観光案内所「ゆう・ゆう館」にも広い駐車場があります。温泉街の道は狭いため、日帰りで町歩きもするならゆう・ゆう館に停めて歩いて向かうのが分かりやすい方法です。
- 温泉津温泉は車がないと行けませんか?
-
電車でも行けます。JR山陰本線の温泉津駅からバス約5分「温泉前」下車です。ただし松江・出雲方面からの長距離バスはなく、列車もバスも本数が限られます。温泉街の中は徒歩で回れますが、温泉津やきものの里・沖泊・鞆ヶ浦へは車が必要です。島根を広く回るなら車なしでの島根観光も参考にしてください。
まとめ|温泉津温泉は「目的がはっきりしている人」に強い温泉地
温泉津温泉は、観光スポットの数で勝負する町ではありません。源泉かけ流しの外湯が2つあり、時代の違う建物が並ぶ町並みがあり、毎週土曜に神楽が舞われる。その3つだけで完結しています。
最後に、旅程を組むときの要点を整理します。
- 初めてなら薬師湯、共同浴場らしさを求めるなら元湯
- 月曜・木曜は元湯の一般利用が朝8時まで。木曜は震湯カフェも定休
- 石見銀山とセットなら、石見銀山は午前中に回す
- 夜神楽(毎週土曜20:00〜)を観るなら宿泊が前提。予約は必須
- 夕食は宿で確保しておく
この5つを押さえておけば、温泉津での失敗はほぼ避けられます。
島根旅行全体の組み立ては、こちらの記事もあわせてご覧ください。





