11月の島根は、一年でもっとも濃い観光シーズンです。全国の神々が集まる「神在祭」、由志園や足立美術館の紅葉ピーク、そして松葉ガニの解禁——この3つを一度に体験できる地域は全国でも珍しく、11月の島根ならではの魅力です。
この記事では、2026年の神在祭の日程・主要イベントの一覧・旅行者が知っておくべき宿泊の注意点まで、出雲在住者の視点でまとめています。
11月の島根はなぜ特別なのか?3つの理由
島根の11月は、単なる秋の観光シーズンではありません。
神事・自然・食が同時にピークを迎える、全国的にも珍しい時期です。
①神様が集まる「神在祭」——全国唯一の神事

旧暦10月は全国的に「神無月(かんなづき)」と呼ばれますが、出雲だけは「神在月(かみありづき)」。
全国の八百万の神々が出雲大社に集まり、縁結びをはじめとする人々の縁について神議り(かむはかり/神々の会議)を行うとされています。
2026年の神在祭(出雲大社)の主な日程は以下のとおりです。
- 神迎神事・神迎祭:11月18日(水)午後7時〜 場所:稲佐の浜→出雲大社
- 神在祭:11月19日(木)午前9時〜
- 献穀祭・神在祭・縁結大祭:11月23日(月・祝)午前10時〜
- 神在祭・縁結大祭:11月25日(水)午前10時〜
- 神等去出祭(からさでさい):11月25日(水)午後4時〜
なお縁結大祭への参列には事前申し込み(往復はがき)が必要です。例年、神在祭の約1か月前に出雲大社公式サイトで案内が出ます。「当日行けば入れるだろう」は通用しないので、早めに確認しておきましょう。

②紅葉ピーク——由志園・足立美術館・松江城が染まる

11月中旬〜下旬にかけて、島根の各地で紅葉がピークを迎えます。なかでも注目は3か所です。
- 由志園(松江市):山陰最大級の紅葉ライトアップ。池泉回遊式庭園にモミジが映える夜の景色は一見の価値あり。
- 足立美術館(安来市):日本庭園ランキング連続日本一。紅葉期は特に早朝訪問がおすすめ。
- 松江城周辺(松江市):国宝天守を囲む「もみじ谷」が深紅に染まる。堀川めぐりとあわせて回遊できる。
③松葉ガニ解禁(11月6日〜)——カニ会席の予約が集中する季節

毎年11月6日に山陰沖の松葉ガニ漁が解禁されます。解禁直後はカニ会席プランの予約が一気に集中し、人気旅館では1〜2か月先まで埋まることも珍しくありません。
品質・価格ともに安定するのは11月中旬以降が目安。水揚げ港のブランドタグが付いた「タグ付き松葉ガニ」が品質保証の目印です。旅行日程が決まったら、宿のカニプランの空き確認を最優先にしましょう。

【2026年】11月の島根主要イベント・日程まとめ
2026年11月に島根で開催される主なイベントを時期別に整理しました。
11月上旬(1日〜10日)のイベント
- 松葉ガニ漁解禁(11月6日〜):山陰沿岸各地。カニ会席プランのある旅館・ホテルで食べられる。境港・松江・玉造温泉エリアが中心。
- 石見銀山・大久保間歩 期間限定公開(大田市):通常非公開の銀鉱山坑道が特別公開される。事前予約制。
- 各地の紅葉見頃(下旬にかけて):足立美術館・松江城・由志園などで見頃が始まる。
11月中旬(11日〜20日)——神在祭が集中するゾーン
- 神迎神事・神迎祭(11月18日 午後7時〜):稲佐の浜→出雲大社。龍蛇神を先導に神々を迎える夜の神事。2026年時点では参列・供奉(おとも)が実施予定。フラッシュ撮影不可。
- 神在祭 始まり(11月19日〜):出雲大社での神在祭が本格的にスタート。境内参拝は可能(6:00〜19:00)。
- 一畑薬師の紅葉(出雲市):標高200mの一畑山全体が赤や黄色に染まる。宍道湖の眺望も絶景。
- 清水寺の紅葉(安来市):千年杉の青と紅葉の赤のコントラストが特徴。
11月下旬(21日〜30日)のイベント
- 縁結大祭(11月23日・25日):出雲大社。神在祭期間中に行われる特別な縁結び祈願。23日(月・祝)・25日(水)いずれも午前10時〜。事前申し込み(往復はがき)が必要。
- 神等去出祭(11月25日・水 午後4時〜):出雲大社。神々を見送る神事。神在祭のフィナーレ。
- 佐太神社の神在祭(松江市鹿島町):出雲大社とは別の日程で神在祭を行う格式高い神社。神等去出神事も見どころ。
- 熊野大社の神在祭(松江市八雲町):2013年に復活した出雲国一宮の神在祭。
- 由志園の紅葉ライトアップ(11月中旬〜下旬):山陰最大級の夜の紅葉。園内カフェからBGMとともに楽しめる。
- かみくの桃源郷の紅葉(雲南市):清流沿いに広がる山里の紅葉。穴場スポット。
旅行プランに組み込みやすいおすすめ体験3選
イベント情報だけでは旅は組めません。「実際に旅程に入れやすいか」の視点で3つ選びました。
神迎神事(稲佐の浜)——夜の神事は一生に一度の体験

11月18日午後7時、稲佐の浜で執り行われる神迎神事は、全国から神々を迎える神在祭のスタートを告げる神事です。御神火が焚かれた浜で、龍蛇神を先導に出雲大社へと神々が行列する光景は、観光イベントとは異なる静謐な迫力があります。
2026年時点では参列・供奉(出雲大社まで同行)が実施予定です。フラッシュ撮影は神事の妨げになるため禁止。菰(コモ)の上を歩かないよう注意が必要です。前泊で出雲市内に宿を取れば、この神事を中心にした旅程が組めます。
由志園の紅葉ライトアップ——山陰最大級

松江市大根島にある池泉回遊式庭園「由志園」では、11月中旬〜下旬にかけてモミジをはじめとする樹木がライトアップされます。山陰で最大級の規模とされており、園内カフェ「一望」からBGMとともに眺める紅葉は格別です。
松江市内からアクセスでき、神在祭観光と組み合わせやすい立地。
夜の観光イベントが少ない島根エリアにおいて、旅程に組み込む価値が高い体験です。
出雲神楽の夕べ——地元民しか知らない定期公演

雲南市古代鉄歌謡館では毎月、地元の神楽社中による定期公演「出雲神楽の夕べ」が開催されています。11月は山王寺本郷神楽社中・薦沢神楽社中が出演。岩屋戸伝説を起源とする出雲神楽の厳かな舞を、観光客でなく地元文化として楽しめる場です。
大型観光スポットと異なり混雑が少なく、本物の島根の伝統芸能に触れたい方にとって隠れた名コンテンツです。公演日程は雲南市古代鉄歌謡館の公式情報を事前に確認してください。
【要注意】11月の島根旅行で知っておくべき注意点と対策
11月の島根は「行けばなんとかなる」が通用しない月です。特に宿泊まわりは早めの動きが必須です。
神在祭期間は宿がすぐ埋まる——予約タイミングの目安
神在祭(11月18日〜25日前後)の期間中、出雲市内の宿は1年前から予約が入り始めます。特に神迎神事(11月18日)前後の宿は、ネット販売開始と同時に満室になることも珍しくありません。
旅行の優先順位の付け方として、「日程を決めてから宿を探す」ではなく「希望宿・カニプランの空きを確認してから日程を決める」順番にすることをおすすめします。
- 出雲市内:神迎神事・出雲大社へ徒歩・バスでアクセス可能。宿の絶対数が少なく最も早く埋まる。
- 玉造温泉:出雲・松江の中間地点。温泉・カニ・紅葉を全て満たせる。神在祭の土日は3万〜5万円超になることもあるため平日狙いか早期予約が必須。
- 松江・安来エリア:足立美術館・紅葉目的なら有力。神在祭ピークを外す旅行者にも向く。
三連休と神在祭が重なる年は特に注意
2026年の神在祭期間(11月18日〜25日)は、11月21日(土)〜23日(月・祝)の三連休と重複します。三連休×神在祭の組み合わせは宿の混雑・価格ともに通常の神在祭期間より格段に上がります。
この三連休に島根旅行を計画している場合は、少なくとも半年前からの宿泊予約を目安にしてください。直前での予約はほぼ絶望的と考えておいたほうが安全です。

神在祭と紅葉を両方楽しむ1泊2日モデルコース
神在祭の時期(11月18日前後)に合わせて組む、旅行者向けの定番プランです。
「神事も紅葉もカニも」を欲張りたい方はこの流れを参考にしてください。
1日目:足立美術館 → 玉造温泉泊 → 由志園ライトアップ
- 午前:足立美術館(安来市)——開館直後の9時入館が混雑回避のベスト。日本庭園と紅葉を静かに楽しめる。
- 昼:安来→松江へ移動——松江城周辺で昼食&堀川めぐり。もみじ谷の紅葉も徒歩で楽しめる。
- 夕方:玉造温泉へチェックイン——出雲・松江の中間地点。温泉で体を温めてから夜に備える。
- 夜:由志園の紅葉ライトアップ——玉造温泉から車で約20分。山陰最大級の夜の紅葉を堪能。
2日目:稲佐の浜 → 出雲大社 → 出雲そば
- 朝:稲佐の浜——神在祭期間中は特別な空気が漂う。早朝の浜は人が少なく、神迎神事の余韻を感じられる。
- 午前:出雲大社参拝——神在月中は東西十九社が開扉される特別期間。縁結大祭参列者は事前申し込みが必要(当日参加不可)。
- 昼:出雲そば(神門通り周辺)——割子そばを神門通りの老舗で。出雲大社の門前町ならではの昼食。
- 午後:出雲市駅から帰路——特急やくも(岡山方面)または出雲空港を利用。
神迎神事(11月18日夜)に参加したい場合は、1日目の宿を出雲市内に変更するのがおすすめです。玉造温泉泊より宿の確保が難しくなるため、早期予約が必須です。
11月の島根旅行に関するよくある質問(FAQ)
神在祭はいつですか?
神在祭の日程は毎年旧暦に基づくため変動します。2026年(令和8年)は、出雲大社公式発表によると、神迎神事が11月18日(水)午後7時〜、神在祭本祭が11月19日(木)から、神等去出祭が11月25日(水)午後4時〜です。毎年10月頃に出雲大社公式サイトで正式発表されます。

11月の島根の服装は?
11月の島根(出雲・松江)の平均気温は上旬で15〜17℃、下旬になると10℃前後まで下がります。特に夕方〜夜は冷え込みが強く、神迎神事(稲佐の浜・夜7時)に参加する場合は防寒対策が必須です。コート・マフラー・手袋を用意し、夜間は重ね着できる服装で臨むのが安心です。

松葉ガニはどこで食べられますか?
松葉ガニは主に玉造温泉・松江市内・境港市の旅館・ホテルのカニ会席プランで食べられます。産地に近い境港では鮮魚市場に隣接した飲食店での提供もあります。旅館のカニプランはシーズン開幕(11月6日)直後から予約が集中するため、早めの手配をおすすめします。水揚げ港のブランドタグが付いた「タグ付き松葉ガニ」表示があるものが品質保証の目印です。

