高齢の家族や杖をつく家族と出雲大社へ行くとき、「境内は車椅子や杖で回れるのか」が気になるのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、出雲大社の境内には車いす対応のルート・スロープ・多目的トイレが整備されており、車椅子や杖でも参拝できます。
ただし、場所によって坂や段差があり、車椅子のままでは行けない場所もあります。
この記事では、出雲大社への電話確認と、出雲観光協会・出雲市立大社中学校の生徒が作成したバリアフリーマップをもとに、出雲在住の筆者が次の内容をまとめました。
- どのルートで回るか(歩ける距離での選び方)
- 車椅子はどこで借りられるか(場所・時間・台数・予約)
- 坂と段差を避けられる駐車場
- 車椅子のままどこまで行けるか(場所別の到達範囲)
- 使いやすい多目的トイレ
出雲大社は車椅子でも参拝できる?
出雲大社の境内には、車椅子の人・杖をつく人向けのルートが用意されています。
拝殿や神楽殿にはスロープがあり、車椅子のまま近くまで行くことができます。
一方で、御本殿の中には誰も入ることができません。
これは車椅子の人に限らず、参拝者全員に共通するルールです。
また、御本殿を周回する道や素鵞社には階段があり、車椅子のままでは進めない場所もあります。
どこまで行けるかは、このあとの「車椅子のままどこまで行ける?」で場所ごとに紹介します。
どのルートで回るか決める|2つのおすすめルートと歩ける距離での選び方

車椅子での出雲大社参拝は2つのルートをお勧めします。
| ルート | 経路 | 特徴 | こんな人向け |
|---|---|---|---|
| ルート① | 出雲大社駐車場(大駐車場)→拝殿(徒歩約5分・約400m)→社務所(拝殿から約120m) | 拝殿・社務所に近い | 車椅子をこれから借りる人 |
| ルート② | 東側の身障者用駐車場(思いやり駐車場)→車いす参拝道→参道(徒歩約7分・約500m) | 車いす参拝道の区間は坂を避けられる | 車椅子を持参している人 |
車椅子を現地で借りる予定なら、貸出場所である社務所に近いルート①(大駐車場)を選ぶのがおすすめです。
思いやり駐車場は車いす参拝道の区間で坂を避けられる一方、社務所からは距離があるため、借りに行く手間がかかります。
すでに車椅子を持っている場合や、勢溜からの下り坂を通りたくない場合は、ルート②(思いやり駐車場)を選ぶと、車いす参拝道を使って坂を避けながら参道まで進めます。
歩ける距離・介助の人数で選ぶ
車椅子を使わず、杖や介助で歩く場合は、次の目安で判断してください。
| 状態 | 目安 |
|---|---|
| 大駐車場から拝殿まで(約400m)を歩ける・数段の階段も上れる | ルート①(大駐車場)で通常の参道を回れます |
| 坂を避けたい・介助者が1人で押す | ルート②(思いやり駐車場)の車いす参拝道が向いています |
| 長くは歩けない・車椅子が必要 | 現地で借りるならルート①、持参ならルート② |
出発前に、車椅子を持参するか、現地の社務所で借りるかを決めておくと、当日の動きがスムーズになります。
車椅子はどこで借りられる?貸出の場所・時間・台数・予約
出雲大社では、車椅子の無料貸出を行っています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料金 | 無料 |
| 貸出場所 | 出雲大社社務所 |
| 貸出時間 | 午前8時30分〜午後4時30分 |
| 利用範囲 | 出雲大社境内のみ |
| 台数 | 限りあり |
| 予約 | 不可(当日受付のみ) |
車椅子の貸出は予約ができないため、混雑が予想される時期や土日祝日に利用する場合は、早めに社務所へ向かうのがおすすめです。
台数に限りがあり、先着順での対応になります。
御朱印の受付時間やご祈祷の時間など、参拝時間の詳細はこちらの記事でまとめています。

受け取りから返却までの動線
本人が長く歩けない場合は、介助者だけが先に社務所へ行って車椅子を借り、駐車場まで持って行くことができます。
思いやり駐車場・大駐車場のどちらに停めていても、この方法が使えます。
貸出時間の「午後4時30分」は、貸出の受付終了ではなく返却の期限です。
参拝を終えたら、この時間までに社務所へ車椅子を返却してください。
混雑する日・早朝に参拝したい場合
参拝時間そのものは6:00〜19:00ですが、車椅子の貸出は8:30からのため、混雑を避けて早朝に参拝したい場合は、貸出開始前になる可能性があります。
早朝に参拝したい場合は、車椅子を持参しておくと貸出時間を気にせず動けます。
早朝参拝のメリットや、おすすめの時間帯はこちらの記事で紹介しています。

坂と段差を避けられる駐車場はどこ?
出雲大社周辺の駐車場のうち、車椅子・杖での参拝に関わる駐車場を比較しました。
| 駐車場 | 台数 | 料金 | 拝殿までの目安 | 駐車場の設備・特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 出雲大社駐車場(大駐車場) | 385台(身体障がい者用3台) | 無料 | 徒歩約5分・約400m | 身体障がい者用駐車場あり |
| 思いやり駐車場(勢溜東駐車場) | 20台 | 無料 | 徒歩約7分・約500m | 車いす参拝道があり坂道なし |
| 島根県立古代出雲歴史博物館駐車場 | 244台(身体障がい者用6台) | 無料 | 徒歩約6分・約450m | 平坦な道のり。開館時間のみ利用可 |
車椅子を社務所で借りる予定なら、社務所に近い大駐車場が便利です。
思いやり駐車場は坂を避けられますが、社務所からは離れているため、車椅子を借りる予定がある場合は大駐車場をおすすめします。
島根県立古代出雲歴史博物館は2026年9月現在改修のため休館しており、2026年10月1日にリニューアルオープンする予定です。
開館時間は9:00〜18:00(11月〜2月は9:00〜17:00)、休館日は毎月第1・第3火曜日です。
博物館側からのルートを使う場合は、開館時間内に利用してください。
下り参道は坂が急なため、車椅子を押すにはかなりの力が必要です。
介助者が1人の場合は、思いやり駐車場の車いす参拝道を使うほうが負担を減らせます。
足の不自由な方向けの駐車場の選び方や、混雑時の対策は、こちらの記事でも詳しく紹介しています。

島根県立古代出雲歴史博物館とあわせて回る場合の所要時間や見どころは、こちらの記事でまとめています。

公共交通機関で来る場合や、レンタカーの利用を検討している場合は、事前に予約しておくと当日の移動がスムーズになります。
【たびらいで山陰エリアのレンタカーを比較する】
車椅子のままどこまで行ける?場所別の到達範囲

出雲大社境内バリアフリーマップと社務所への確認をもとに、場所ごとの段差・スロープの有無をまとめました。
| 場所 | 段差・スロープ | 車椅子で行けるか |
|---|---|---|
| 勢溜(正門) | 階段6段・スロープなし | 西側の段差のない脇道から参道へ行けます |
| 下り参道 | 急な下り坂 | 通行できますが、押すのに力が必要です |
| 松の参道 | 舗装路 | 問題なく通行できます |
| 祓社 | 階段6段・スロープなし | 社殿へは行けません |
| 手水舎そば | 階段1段・6段(各スロープあり) | スロープで通行できます |
| 鋼鳥居そば(ムスビの御神像周辺) | 階段2段・スロープあり | 通行できますが、道に切れ目があり進みにくい箇所があります |
| 拝殿 | 階段3段・スロープあり | スロープで拝殿の前まで行き、参拝できます |
| 神楽殿 | 西側に大きなスロープ | 車椅子のまま参拝できます |
| 御本殿の裏側・脇の周回路(拝殿の先、東西十九社側) | 階段7段・スロープなし | 拝殿より奥へは進めません(八足門前には行けません) |
| 素鵞社 | 階段11段・スロープなし | 社の前までは行けますが、階段があるため社殿には入れません |
車椅子で社殿に参拝できるのは、拝殿と神楽殿までです。
素鵞社は社の前まで行けますが、階段があるため社殿にはお参りできません。御本殿を裏側・脇から周回する道にも階段があり、車椅子のままでは進めません。

参拝の作法や二礼四拍手一礼の仕方など、回り方全体はこちらの記事で詳しく解説しています。

多目的トイレはどこが使いやすい?おすすめ度つきで紹介
出雲大社境内バリアフリーマップでは、境内5か所の多目的トイレに使いやすさのおすすめ度(5段階)がつけられています。
| 場所 | おすすめ度 | コメント | オストメイト対応 |
|---|---|---|---|
| 社務所そば | ★★★★★ | スペースが広くてきれい | 対応 |
| 神楽殿そば(西十九社近く) | ★★★★★ | 新しくてきれい。入口・トイレ内とも広い | 対応 |
| 鋼鳥居そば(ムスビの御神像近く) | ★★★★ | 車いすスペースが広くてきれい | 記載なし |
| 松の参道の鳥居そば | ★★ | 車いすスペースはあるが、ドアのレールが引っかかりやすい | 対応 |
| 大駐車場そば | ★ | 入口付近に段差があり、狭いため出入りに注意 | 対応 |
参拝中にトイレを使うなら、社務所そばか神楽殿そばのどちらかが使いやすくなっています。
大駐車場そばのトイレは、到着直後に使う場合は段差に注意してください。
出雲大社の場所
出雲大社の住所は「島根県出雲市大社町杵築東195」です。
最新の参拝時間・車椅子貸出の情報は、出雲大社の公式サイトでもご確認いただけます。
参拝のあと|門前の通りと宿を決めるときに確認すること
社務所で借りた車椅子は、出雲大社の境内でのみ使用できます。
参拝後に門前の神門通りへ出る場合は、境内で使った車椅子を持ち出せないため、持参した車椅子や、別の移動手段を考えておく必要があります。
宿を選ぶときは、駐車場から客室までの段差、館内の移動、車椅子の貸出の有無を、予約前に宿へ直接確認しておくと安心です。
宿ごとの対応状況は施設によって異なるため、この記事では個別には紹介していません。
宿泊エリアの選び方は、こちらの記事で詳しく紹介しています。

出雲大社の車椅子での参拝についてよくある質問
- 車椅子の貸出は予約できますか?
-
予約はできません。当日、出雲大社社務所での受付のみとなります。台数に限りがあるため、混雑が予想される時期や土日祝日は早めに社務所へ向かうことをおすすめします。
- ベビーカーでも同じルートを使えますか?
-
はい、車椅子と同じルート(大駐車場からの参道や思いやり駐車場からの車いす参拝道)を使えます。段差の少ない道を選びたい場合の目安として、この記事のルート表を参考にしてください。
- 車椅子のまま御本殿の中に入れますか?
-
入れません。御本殿の中には車椅子の人に限らず、参拝者全員が入ることはできません。車椅子で社殿に参拝できるのは拝殿と神楽殿までです。
- 混雑する日でも思いやり駐車場に停められますか?
-
台数に限りがあるため、混雑する時期は満車になることがあります。車椅子を社務所で借りる予定がある場合は、社務所に近い大駐車場を利用するのがおすすめです。
まとめ
出雲大社は、車椅子や杖をつく人でも参拝できる神社です。
車椅子を借りるなら大駐車場、坂を避けたいなら思いやり駐車場の車いす参拝道を選び、拝殿と神楽殿までは車椅子のまま参拝できます。
御本殿の周回路や素鵞社の社殿には階段があるため、無理に進まず、行ける範囲で参拝を楽しんでください。
出発前に車椅子を借りるか持参するかを決めておくと、当日の動きがスムーズになります。
