「宍道湖の夕日を、ゆっくり眺められる場所はどこだろう」
「美術にくわしくなくても楽しめるのかな」
松江観光を計画していると、そんな思いから島根県立美術館が気になる方も多いのではないでしょうか。
島根県立美術館は、宍道湖のほとりに建つ、山陰を代表する美術館の一つです。
美術館から望む宍道湖の夕景は「日本の夕陽百選」にも選ばれており、縁結びで知られる「宍道湖うさぎ」や、無料で楽しめるロビー・庭園まで、美術鑑賞だけにとどまらない魅力があります。
ロビーや庭園は無料で楽しめ、展示を観覧する場合もコレクション展なら一般400円(小・中・高校生は無料)と手頃です。
この記事では、出雲在住の筆者が実際に足を運んだ体験をまじえながら、夕日の楽しみ方・うさぎの場所・料金・駐車場・所要時間まで、はじめて訪れる方が知りたい情報をまとめました。
松江城や温泉とあわせた回り方もご紹介します。
島根県立美術館とは?宍道湖畔に建つ、山陰を代表する美術館

島根県立美術館は、1999年(平成11年)に宍道湖のほとりに開館した美術館です。「水との調和」をテーマに設計され、湖に臨むロビーからは、季節や時間によって表情を変える宍道湖の景色を楽しめます。所在地は松江市袖師町で、松江駅や松江城からもほど近い立地です。
コレクションは「水」をテーマにした絵画や、日本の版画、国内外の写真、木を素材とした彫刻など、独自の視点で収集されています。世界的にも貴重とされる北斎の作品がまとまって展示されている点も特徴です。
実は「無料」で楽しめる範囲が広い
展示(コレクション展・企画展)の観覧には料金がかかりますが(コレクション展は一般400円、小・中・高校生は無料)、宍道湖に面したロビーや、屋外の庭園エリアは無料で立ち入ることができます。
夕日を眺めたり、後述する「宍道湖うさぎ」に会ったりするだけでも、十分に楽しめる構成になっています。「時間はないけれど景色だけでも味わいたい」という方にもうれしいポイントです。
【目玉①】ロビーの大きな窓から望む宍道湖の夕日

島根県立美術館の最大の見どころといわれるのが、宍道湖に沈む夕日です。
湖岸側を全面ガラス張りにしたロビーからは、まるで一枚の絵画のように夕日を鑑賞できます。美術館から望む宍道湖の夕景は「日本の夕陽百選」にも選ばれています。
3~9月は「日没後30分」まで開館している
島根県立美術館は、夕日をゆっくり楽しめるよう、3月~9月は日没時刻の30分後まで開館時間を延長しています(10月~2月は18:30まで)。日没の時刻は季節によって変わるため、夕日を目当てに訪れる場合は、公式サイトで当日の閉館時刻を確認してから出かけると安心です。
日没が近づくとロビーが夕日でオレンジ色に染まり、その光景から「夕日の美術館」とも呼ばれています。
夕日を「待つ時間」もロビーで楽しめる

筆者が訪れたのは7月中旬の16時半ごろ。まだ夕日には少し早い時間帯でしたが、西日が湖面にキラキラと反射し、神々しさを感じるほどの美しさでした。夕日そのものだけでなく、日が傾いていくのを待つ時間も、このロビーでゆったりと過ごせます。ソファに腰かけて宍道湖を眺めているだけで、旅の疲れがほどけていくような時間でした。
夕日のベストな時間帯を狙いたい場合は、日没の30分~1時間前を目安にロビーへ入っておくと、光が刻々と変わっていく様子をじっくり味わえます。
夕日のベストシーズンは?季節ごとの見え方
宍道湖の夕日は一年を通して楽しめますが、季節によって表情が変わります。空気の澄み具合や夕焼けの色づき方など、季節ごとの特徴を知っておくと、旅の計画に役立ちます。
| 季節 | 夕日・夕景の特徴 |
|---|---|
| 春 | 空気が澄み、輪郭のはっきりした夕日が見られる |
| 夏 | 夕焼けの色が鮮やかで、迫力のある空になりやすい |
| 秋 | 夕日と夕焼けのグラデーションが美しい |
| 冬 | 空気が最も澄み、くっきりと冴えた夕景を楽しめる |
なかでも空気が澄む秋から冬は、夕日そのもののシャープさが際立ちます。一方、夏は空一面が赤く染まるダイナミックな夕焼けが魅力。どの季節にもそれぞれの良さがあります。
夕日をきれいに見るコツ(体験談)
夕日を楽しむためのちょっとしたコツをまとめます。
- 雲ひとつない快晴より、少し雲がある日のほうが空が色づき、印象的な夕景になりやすいです。
- 窓際の良い場所は埋まりやすいので、日没の15分前までにはロビーの席を確保しておくと安心です。
- 土日や夏場は夕日の時間帯に混み合う傾向があります。ゆっくり眺めたいなら平日が狙い目です。
- 西日が強い時間帯は、まぶしく感じることも。サングラスがあると快適に過ごせます。
【目玉②】宍道湖うさぎ|縁結びの撫で方と写真スポット

島根県立美術館のもうひとつの名物が、屋外の庭園に並ぶ「宍道湖うさぎ」です。12羽のブロンズのうさぎが、宍道湖に向かってさまざまな姿で並んでいます。このうさぎは無料の庭園エリアにあるため、展示を観覧しない方でも会いに行けます。
うさぎはどこにいる?場所の目印
宍道湖うさぎは、ロビーから見て右手にあるレストランの脇の出口を出てすぐの場所に並んでいます。館内から湖側へ出れば、すぐに見つけられます。12羽がそれぞれ違う表情・ポーズをしているので、「どの子と一緒に写真を撮ろうか」と選ぶのも楽しみのひとつ。お気に入りのうさぎを探してみてください。
写真を撮るときのちょっとしたコツもあります。うさぎは湖を背にして並んでいるため、陸側から撮ると逆光になりがちです。表情や姿をはっきり写したいときは、湖側にまわり込んで撮るのがおすすめ。反対に、あえて逆光を活かして、うさぎのシルエット(影)だけを切り取るのも、味わいのある一枚になります。
幸せが訪れるといわれる「撫で方」
宍道湖うさぎには、前から2羽目のうさぎに、西を向いてやさしくふれると幸せが訪れるという言い伝えがあり、縁結びのスポットとして評判です。さらに、シジミ貝をそっとお供えすると願いが叶うともいわれています。松江・出雲は縁結びで知られる土地。旅の記念に、そっと願いをかけてみてはいかがでしょうか。
入館料・チケット|当日券・無料になる範囲まとめ
島根県立美術館の観覧料は、常設の「コレクション展」と、期間限定の「企画展」で異なります。最新の情報は公式サイトでご確認ください。
| 区分 | 個人 | 団体(20名以上) |
|---|---|---|
| 一般 | 400円 | 320円 |
| 大学生 | 260円 | 200円 |
| 小・中・高校生 | 無料 | 無料 |
小・中・高校生は無料で観覧できるため、子ども連れでも気軽に立ち寄れます。また、各種障害者手帳をお持ちの方とその付き添いの方(1名まで)も無料です。
企画展は展覧会ごとに料金が異なります。企画展を観覧すると、同じ日にコレクション展もあわせて楽しめるセット券が用意されている場合が多いため、両方を見たい方はチケット購入時に確認するとお得です。前売り券や当日券の取り扱いは展覧会によって異なるので、詳しくは公式サイトでご確認ください。
営業時間・休館日・所要時間の目安

| 開館時間(3~9月) | 10:00~日没後30分 ※展示室への入場は日没時刻まで |
| 開館時間(10~2月) | 10:00~18:30 ※展示室への入場は18:00まで |
| 休館日 | 毎週火曜、年末年始(12月28日~1月1日) ※企画展の日程により変更あり |
展示の鑑賞にかかる所要時間の目安は、おおむね1時間程度とされています。ただし、宍道湖の景色や庭園のうさぎもあわせて楽しむなら、もう少し余裕を見ておくのがおすすめです。
筆者の実感としては、企画展の内容にもよりますが、じっくりと作品を鑑賞する時間と、ロビーで休憩しながら宍道湖を眺める時間の両方をとっておくと、島根県立美術館をあますことなく楽しめます。「見る・休む・眺める」を組み合わせて、1時間半~2時間ほど確保しておくと、慌てずに過ごせるでしょう。
アクセス・駐車場|230台・3時間まで無料
島根県立美術館へは、車でのアクセスが便利です。
JR松江駅からは車で約5分、徒歩でも15分ほどの距離にあります。
バスを利用する場合は、松江駅から観光循環バス「ぐるっと松江レイクライン」に乗り、「県立美術館前」で下車すればすぐです。
運賃や所要時間・時刻は変わることがあるため、公共交通機関を使う場合は事前に公式サイトでご確認ください。
週末は「離れた駐車場」を最初から狙うのがコツ

駐車場は、美術館の入口前(ロータリー内)と、道路を挟んだ離れた場所の2ヶ所があります。入口前は台数が少ないため、週末に訪れる場合は、最初から離れた駐車場を目指すのがおすすめです。離れた駐車場は230台収容できるので、混雑時でも比較的停めやすくなっています。
料金は3時間まで無料、以降は1時間ごとに100円(夜間22:00~翌8:00は500円)です。

離れた駐車場は道路を挟んでいますが、美術館まで地下通路でつながっており、雨の日でも濡れずに移動できます。エレベーターも設置されているので、ご年配の方やベビーカー連れでも安心です。
なお、周辺を観光で巡る予定の方は、松江駅でレンタカーを借りるのが便利です。
今どんな展示をやってる?企画展・イベント情報の調べ方
島根県立美術館では、常設のコレクション展に加えて、期間限定の企画展が随時開催されています。
企画展は数ヶ月ごとに入れ替わるため、「今どんな展示をやっているか」は、公式サイトの展覧会スケジュールで確認するのが確実です。
人気の企画展は会期が決まっているので、訪問予定日の1~2週間前を目安に、開催中の展覧会と会期をチェックしておくと安心です。
過去には、目の錯覚やトリックアートをテーマにした企画展など、子どもから大人まで直感的に楽しめる展覧会も開催されてきました。美術にくわしくなくても入りやすい企画が多いのも、この美術館の魅力のひとつです。
ホールでの講演会などのイベントも
館内にはホールもあり、講演会などのイベントも開催されます。筆者が講演で訪れた際は、座席に角度がついていて、後方の席からでも舞台がよく見えました。開催情報は公式サイトでご確認ください。
見逃せない収蔵コレクション|北斎の世界
島根県立美術館は、葛飾北斎のコレクションでも知られています。
専用の展示室で、世界的にも貴重とされる北斎の作品を鑑賞できるのが大きな魅力です。教科書で見た「あの絵」に出会えることもあり、浮世絵にくわしくない方でも楽しめます。このほか「水」をテーマにした絵画や写真、木の彫刻など、独自の切り口のコレクションも見どころです(展示作品は時期により入れ替わります)。
建築も見どころ|菊竹清訓が手がけた「夕日の美術館」

島根県立美術館は、建物そのものも見どころです。設計は、世界的な建築運動「メタボリズム」を率いた建築家・菊竹清訓(きくたけ きよのり)。出雲大社の庁の舎なども手がけ、旧島根県立博物館をはじめ松江に多くの作品を残した、この地にゆかりの深い建築家です。
「世界の菊竹は松江から」といわれるほどで、島根県立美術館は晩年の代表作にあたります。
設計では宍道湖の存在が強く意識されており、建物は湖岸に沿ってなだらかに連なる「洲浜(すはま)」のような形。
高さは背後の山並みを遮らないよう低く抑えられ、対岸からは銀色に輝くチタン製の大屋根が水辺に映えます。
全面ガラスのロビーに差し込む夕日と相まって、建築そのものが宍道湖の風景に溶け込んでいます。
鑑賞の合間に|レストラン・カフェ・ミュージアムショップ

館内には、宍道湖を眺めながら休憩できるレストランやカフェ、お土産探しに立ち寄れるミュージアムショップがあります。夕日を待つあいだの一休みや、鑑賞後のティータイムにぴったりです。ミュージアムショップでは、北斎や宍道湖うさぎをモチーフにしたグッズなど、ここならではのお土産も見つかります。
営業時間やメニューは変更される場合があるため、食事を予定している場合は公式サイトで最新情報をご確認ください。
モデルコース|松江城・温泉とあわせた回り方
松江城とセットで巡る半日プラン
島根県立美術館は松江城から近く、半日で両方をあわせて楽しめます。
午前~昼に国宝・松江城とその城下町を散策し、午後に美術館へ移動して、そのまま夕日の時間まで過ごす流れが王道です。美術館の周辺には、宍道湖畔の夕日スポットとして知られる白潟公園、大正建築の興雲閣や松江歴史館、レトロな街並みが人気のカラコロ工房などもあり、夕日までの散策にぴったりです。

お昼ごはんは、松江ならではの出雲そばや郷土料理も外せません。城下町としてさまざまな食文化が根付く松江グルメもぜひお楽しみください。

夕日のあとは温泉宿へ|1日たっぷりプラン
美術館で宍道湖の夕日を堪能したあとは、近くの温泉宿に泊まって旅を締めくくるのがおすすめです。
美術館と同じ宍道湖畔にある松江しんじ湖温泉なら、移動も短く、宿からも湖の景色を楽しめます。

ゆったりと温泉を楽しみたい方は、少し足を延ばして玉造温泉に泊まるのもおすすめです。日本有数の美肌の湯として知られ、風情ある温泉街の散策も楽しめます。

なお、夏の宍道湖では花火大会「松江水郷祭」も開催されます。
旅の時期が重なる方は、あわせてチェックしてみてください。

出雲在住の筆者がおすすめする島根県立美術館での過ごし方

最後に、出雲在住の筆者ならこう過ごす、というモデルプランをご紹介します。
私なら、日の入り時刻の2時間ほど前に到着し、まず企画展とコレクション展を1時間ほどかけて鑑賞します。
そのあとはロビーでコーヒーを飲みながら夕日を待ち、日没の前後に宍道湖畔のうさぎへ。人が少なくなったタイミングを狙えば、ゆったりとした雰囲気のなかで写真を撮れます。
美術館を出たあとは、同じ宍道湖畔の松江しんじ湖温泉か、少し足を延ばして玉造温泉で一泊するコースがおすすめです。
夕日の余韻をそのまま温泉で楽しめる、贅沢な島根旅行となるはずです!
よくある質問(FAQ)
- 夕日は何時ごろに見られますか?
-
日没の時刻は季節によって変わり、松江ではおおよそ夏(6~7月)で19時ごろ、冬(12~1月)で17時ごろが目安です。夕日に合わせて、3月~9月は日没後30分まで開館時間を延長しています。当日の正確な日没・閉館時刻は公式サイトで確認できるので、日没の30分~1時間前を目安にロビーへ入っておくと、光の移り変わりまでゆっくり楽しめます。
- 宍道湖うさぎはどこにありますか?無料で見られますか?
-
ロビーから見て右手のレストラン脇の出口を出てすぐ、宍道湖に面した庭園エリアに12羽が並んでいます。屋外の無料エリアにあるため、展示を観覧しない方でも会いに行けます。前から2羽目のうさぎに西を向いてふれると幸せが訪れると評判です。
- 駐車場はありますか?料金はいくらですか?
-
入口前(ロータリー内)と、道路を挟んだ離れた駐車場の2ヶ所があります。入口前は台数が少ないため、週末は230台収容の離れた駐車場が停めやすくおすすめです。料金は3時間まで無料、以降1時間ごとに100円(夜間22:00~翌8:00は500円)です。離れた駐車場からは地下通路でつながっており、エレベーターもあります。
- 見学の所要時間はどれくらいですか?
-
展示の鑑賞だけなら約1時間が目安です。ただし宍道湖の夕日や庭園のうさぎもあわせて楽しむなら、ロビーでの休憩も含めて1時間半~2時間ほど見ておくと、慌てずに過ごせます。
- 入館料はいくらですか?子どもは無料ですか?
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コレクション展は一般400円、大学生260円、小・中・高校生は無料です。企画展は展覧会ごとに料金が異なり、コレクション展とのセット券が用意されている場合もあります。ロビーや庭園は無料で楽しめます。
- 雨の日でも楽しめますか?
-
楽しめます。展示室やロビー、カフェは屋内なので、天気を気にせず過ごせます。離れた駐車場から美術館へは地下通路でつながっているため、雨に濡れずに移動できます。雨上がりに雲の切れ間から差し込む夕日も、この美術館ならではの美しさです。
- 写真撮影はできますか?
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宍道湖に面したロビーや、庭園の宍道湖うさぎは撮影を楽しめます。展示室については、コレクション展示室はフラッシュを使わなければ撮影可能ですが、企画展示室は撮影できません。作品や場所によって条件が変わるため、現地の表示に従ってください。
- 当日、再入館はできますか?
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再入館の可否は展覧会や券種によって異なる場合があります。いったん外に出て戻る予定がある場合は、受付でご確認ください。なお、ロビーや庭園(うさぎ・夕日)は無料エリアのため、こちらは自由に出入りできます。
- 子ども連れでも楽しめますか?
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楽しめます。小・中・高校生は無料で、館内には授乳室やキッズライブラリーもあります。午前中は「かぞくの時間」として、子ども連れの鑑賞優先時間が設けられています。庭園のうさぎ探しや宍道湖の夕日は、子どもと一緒でも思い出になります。
- バリアフリーですか?車椅子やベビーカーでも大丈夫ですか?
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車椅子・ベビーカーの貸出があり、多目的トイレや身体の不自由な方向けの駐車スペースも用意されています。離れた駐車場から館内へは地下通路のエレベーターで移動できるので、ご年配の方やベビーカー連れでも安心です。
最新の開館時間・休館日・展覧会情報・料金は、島根県立美術館 公式サイトでご確認ください。
